2025年7月8日
労務・人事ニュース
全国で2,614人が熱中症で搬送、令和7年5月の高齢者搬送割合は58.2%に
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最終更新: 2025年7月11日 01:34
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令和7年5月の熱中症による救急搬送状況(総務省)
令和7年5月の日本全国における熱中症による救急搬送状況が消防庁により公表され、同月の救急搬送者数は合計2,614人にのぼりました。この数字は、前年同月(令和6年5月)の2,799人と比較するとやや減少したものの、高齢者を中心に多くの人々が体調を崩し、救急搬送された実態が浮き彫りとなっています。全国的に5月としては異例ともいえる高温が続き、体がまだ暑さに慣れていない中での気温上昇が影響したと見られています。
搬送者の年齢別の内訳を見ると、最も多かったのは高齢者で、65歳以上の搬送者は1,521人と全体の58.2%を占めました。次いで成人(18歳以上65歳未満)が668人(25.6%)、少年(7歳以上18歳未満)が390人(14.9%)、乳幼児(生後28日以上7歳未満)が35人(1.3%)という結果でした。新生児の搬送は0人でした。これにより、特に高齢者にとって熱中症は深刻な健康リスクであることがあらためて明確になりました。加齢によって体温調整機能が低下することや、暑さを自覚しにくくなることが要因と考えられます。
さらに、医療機関での初診時の傷病程度別に分析すると、軽症が最も多く1,777人(68.0%)、次いで中等症が761人(29.1%)、重症が60人(2.3%)でした。死亡例も1人確認されています(0.0%)。このデータから見えてくるのは、ほとんどのケースで早期の対処により重篤化を防げたものの、一部では重症化し、命の危険にさらされた事例もあったという現実です。特に屋内外を問わず、適切な熱中症対策の重要性が再認識されます。
熱中症が発生した場所についての統計によると、自宅などの住居内での発生が最も多く726人(27.8%)でした。次いで道路上での搬送が525人(20.1%)、公衆の屋外空間での発生が357人(13.7%)、教育機関内での事例が286人(10.9%)と続きます。このことから、日常生活のあらゆる場面で熱中症のリスクが潜んでいることがわかります。住居内での搬送が多い背景には、高齢者が一人暮らしの環境で空調機器の使用を控えるなど、体調管理が不十分となるケースが多いことが影響していると見られます。
また、職場での発症も無視できない状況です。仕事場での搬送者は2つに分類され、①が228人(8.7%)、②が96人(3.7%)と、合計で324人が業務中に体調を崩して救急搬送されています。特に屋外作業が多い建設業や配送業などの現場では、日差しや気温の影響を強く受けやすいため、休憩や水分補給の徹底が不可欠です。
日別の搬送者数の推移を見ると、5月20日(火)が最も多く、1日で346人が搬送されました。続く21日(水)には360人とさらに多くの人が体調を崩し、2日間で700人を超える事態となりました。この期間、各地で最高気温が30度前後を記録し、気象庁が「季節外れの猛暑」と警戒を呼びかけていた時期と重なります。特に、まだ暑さに慣れていない5月に急激に気温が上昇すると、体の対応が追いつかず、結果的に熱中症を引き起こすことになります。
都道府県別の搬送状況では、東京都が170人と最多でした。次いで愛知県が180人、大阪府が131人、兵庫県が109人、埼玉県が164人と、都市部での搬送者数が顕著に多くなっています。これには高齢者人口の集中や、ヒートアイランド現象など都市特有の環境的要因が関係していると考えられます。また、沖縄県でも115人と多く、年間を通して気温が高い地域では5月でも油断が禁物であることを物語っています。
消防庁は今回のデータを受け、熱中症対策の徹底を強く呼びかけています。特に、「喉が渇く前の水分補給」「適切な塩分摂取」「エアコンや扇風機の活用」「屋外作業時のこまめな休憩」など、基本的な予防策を怠らないことが求められています。また、高齢者や子ども、持病を持つ人は特に注意が必要であり、家族や地域社会が連携して声掛けや見守りを行うことの重要性も指摘されています。消防庁の公式サイトでは、地域ごとの気温や警戒情報が日々更新されており、こまめなチェックが推奨されています。
企業の人事・総務部門にとっては、これらの情報を受けて、従業員の安全と健康を守るための熱中症対策を早急に講じることが求められます。例えば、出社時や現場作業前の体調チェック、作業中の休憩時間の確保、冷房設備の適切な運用、熱中症対策グッズの配布などが有効です。また、勤務時間帯の柔軟化やテレワークの推奨も、暑さ対策として有効な手段となります。熱中症は事前の備えで予防可能な健康障害であることから、企業の社会的責任としても対応が欠かせません。
今後、気象庁の予報では6月以降も平年より高温が続く見込みであり、夏本番を迎える前からの早めの対策が重要です。すでに5月の段階でこれほど多くの搬送事例が報告されていることから、今後の気温上昇によってさらに深刻な状況になることも十分に予想されます。各自治体や医療機関、教育機関、企業などが一丸となって、熱中症から命を守るための対策を徹底することが強く求められています。
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ