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2025年4月22日

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全国で36,000台の不法投棄家電を回収、令和5年度の最新調査結果を公

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令和5年度廃家電の不法投棄等の状況について(環境省)

2025年3月31日、環境省環境再生・資源循環局は、令和5年度における家電リサイクル法対象製品の不法投棄等の状況についての調査結果を公表しました。この調査は、家電リサイクル法に基づき毎年行われているもので、エアコン、テレビ(ブラウン管式および液晶・プラズマ式)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機のいわゆる「廃家電4品目」を対象としています。これらの製品は、適正にリサイクルされるべき資源であるにもかかわらず、依然として一定数が不法に投棄されている現状を明らかにしています。

調査対象となったのは全国1,741の市区町村で、総人口はおよそ1億2,638万人です。そのうち実際に不法投棄回収データが得られたのは1,691の自治体であり、これらをベースに人口カバー率(全人口の約99.2%)を用いて算出された全国の推計不法投棄回収台数は36,000台にのぼります。これは前年と比較して減少しており、不法投棄対策の一定の成果が見られたといえます。

品目別に見ると、最も多かったのは液晶・プラズマ式テレビで全体の36.5%を占めており、続いてブラウン管式テレビが24.1%、冷蔵庫・冷凍庫が22.3%、洗濯機・衣類乾燥機が14.7%、エアコンが2.4%という割合でした。この結果から、テレビが全体の約6割を占めていることがわかり、特に新旧製品を問わず、テレビ類の不法投棄が依然として高い水準にあることが浮き彫りになっています。

また、不法投棄が行われた場所についても分析が行われており、最も多かったのはごみ集積所(ステーション等)で14,128台が回収されました。次いで多かったのが道路上(公道・私道含む)で4,260台、山林や林道など自然環境下での回収が2,185台にのぼっています。これに加えて、空き地での不法投棄が1,096台、都市公園で602台、河川敷・海岸・湖沼では501台と、自然環境や公共空間における不法投棄の実態が明らかになっています。

特筆すべきは、不法投棄の発生率が市区町村の規模によって異なるという点です。回収実績がある1,200の自治体を人口規模で分類した結果、市区では1万人あたり2.6台、町では5.0台、村では9.9台と、人口の少ない地域ほど単位人口当たりの不法投棄が多くなる傾向が見られました。これは、回収体制の脆弱さや監視の目が届きにくい地域環境が背景にあると考えられます。

さらに、未回収の不法投棄物が依然として市中に残っている市町村は286件存在し、その主な理由として、「私有地のため立ち入れない」が171件、「物理的に回収困難」が153件という回答が多数を占めていました。このことから、回収可能な場所での不法投棄だけでなく、法的・物理的制約によって処理が進まないケースが依然として数多く存在していることが分かります。

対策として、令和5年度には90%を超える市区町村が不法投棄の未然防止策を講じており、その具体的内容としては、普及啓発活動や巡回監視の強化、住民や警察と連携した通報体制の整備、さらには監視カメラの設置といった取り組みが進められています。これらの対策により、年々不法投棄件数の減少傾向が見られるものの、依然として完全な解決には至っておらず、今後の継続的な取り組みと、制度の更なる普及・啓発が求められています。

企業の採用担当者にとっても、このような行政による廃棄物管理の状況は、人材確保や企業価値の向上に直結する重要な視点です。特に小売業や家電量販店、廃棄物処理に関わる企業では、法令遵守の体制整備やリサイクル活動の実績が、CSRやESG評価の対象となり得ます。また、従業員が日常業務で廃棄物管理に関与する場面も多く、採用時に制度への理解や環境意識の高さをアピールできる体制づくりが今後の採用力にもつながっていきます。

⇒ 詳しくは環境省のWEBサイトへ

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