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2025年5月7日

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出生数5万951人、死亡数14万3045人、自然減少拡大で少子化加速【令和7年2月人口動態速報】

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人口動態統計速報(令和7年2月分)(厚労省)

厚生労働省は令和7年4月25日、令和7年2月分の人口動態統計速報を発表しました。この統計は、出生、死亡、婚姻、離婚および死産について、全国の市区町村で作成された人口動態調査票をもとに集計されたものです。速報値には、日本国内に居住する日本人だけでなく、日本国内に居住する外国人や、国外に居住する日本人、さらに前年以前に発生した事象も含まれており、日本全体の人口動向を総合的に捉える貴重な資料となっています。

今回発表されたデータによると、令和7年2月における出生数は5万951人となり、前年同月の5万4532人と比べて3581人減少し、対前年同月比では6.6%の減少となりました。この減少傾向は、少子化の進行が引き続き深刻な状況にあることを示しており、人口減少社会が加速している実態を浮き彫りにしています。一方で、死亡数は14万3045人となり、前年同月の14万0269人から2776人増加し、対前年同月比で2.0%の増加を記録しました。これにより、出生数から死亡数を差し引いた自然増減数はマイナス9万2094人と、前年のマイナス8万5737人よりさらに6357人減少し、自然減少の幅が一段と拡大した形となりました。

死産数については、令和7年2月の時点で1307件と、前年同月の1303件からわずかに増加し、0.3%の増加率となっています。婚姻件数は4万1366組で、前年同月の3万8604組から2762組増加し、対前年同月比で7.2%増となりました。これは、コロナ禍による結婚延期が一定程度解消されたことや、各種婚活支援策の成果が表れた可能性が考えられます。一方、離婚件数は1万4254件と、前年同月の1万5193件から939件減少し、対前年同月比で6.2%減少しました。

さらに、令和6年3月から令和7年2月までの1年間を通じた累計データでは、出生数が71万4718人となり、前年同期の75万3255人から3万8537人減少しました。これに対し、死亡数は164万3222人と、前年同期の158万2595人から6万0627人増加し、自然減少数は前年の82万9340人から99万164人へと大幅に拡大しました。少子高齢化が顕著に進行していることを裏付ける結果と言えます。

全国各都道府県別のデータを見ても、出生数の減少と死亡数の増加はほぼ全国的な傾向となっています。たとえば、東京都における2月の出生数は6163人で、死亡数は1万2340人と、出生数の約2倍となっており、自然減少が非常に大きな規模で進んでいることがわかります。また、全国の出生数に占める東京都の割合は約12%にも達しており、大都市圏における少子化の深刻さを浮き彫りにしています。

婚姻件数についても、地域差はあるものの、総じて前年を上回る傾向が見られました。東京都では2月に6997組が婚姻届を提出しており、前年同月比で増加しました。これはコロナ禍の影響による結婚控えが収束傾向にあることや、自治体による結婚支援施策が一定の効果を上げていることが背景にあると考えられます。

離婚件数については、東京都においても前年より減少し、1638件となりました。離婚の減少傾向は、全国的にも見られる動きであり、これは生活様式の多様化や、コロナ禍を経た家族意識の変化が影響している可能性があると推察されます。

自然減少の拡大は、社会保障制度への影響も大きい問題です。高齢者人口の増加により、医療や介護の需要が急速に高まる一方で、若年労働人口の減少によって社会保険料収入は減少することが予想されます。この人口構造の変化は、経済成長や地域社会の持続性にも直接的な影響を及ぼすため、国全体で早急な対策が求められています。

厚生労働省では、これらの人口動態の変化を受け、出生率向上に向けた支援策の強化、高齢者支援の充実、外国人労働者受け入れ体制の整備など、総合的な人口政策の推進を進めています。また、少子化対策については、結婚・出産・子育てに関する負担を軽減するための施策、若年層に対する住宅支援、育児休業制度の拡充、保育サービスの充実など、多面的な取り組みを加速させる方針です。

今後もこのような人口動態統計の定期的な公表と分析を通じて、政府は政策の効果検証と見直しを行い、持続可能な社会づくりに向けた施策をより一層強化していく考えを示しています。特に、出生数の回復に向けては、社会全体で子育てを支える環境づくりが不可欠であり、企業、地域社会、国民一人ひとりの協力が求められています。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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