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2025年7月18日

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十島村の災害救助法適用により最大100%保証のセーフティネット4号を中小企業に適用

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トカラ列島近海を震源とする地震に関して被災中小企業・小規模事業者支援措置を行います(経産省)

2025年7月4日、経済産業省は、鹿児島県のトカラ列島近海を震源とする地震により大きな被害を受けた地域への緊急支援策として、中小企業および小規模事業者に向けた複数の支援措置を発表しました。今回の地震被害に関しては、鹿児島県鹿児島郡十島村に災害救助法が適用されたことを踏まえたもので、地域経済の早期回復と事業の継続を目的としています。今回の支援措置は、被災事業者にとって極めて重要なライフラインとなることが期待されています。

まず、経済産業省は迅速な相談体制の確立に着手し、鹿児島県内の関係機関に特別相談窓口を設置しました。これには、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会、各商工会議所、商工会連合会、中小企業団体中央会、よろず支援拠点、さらには全国商店街振興組合連合会および中小企業基盤整備機構九州本部などが含まれており、九州経済産業局も連携して支援にあたる体制が整えられています。このように多面的な機関が連携することにより、被災事業者が抱える資金繰りや営業再開に関する多様な悩みに対応することが可能となっています。

次に、被害を受けた中小企業や小規模事業者に対しては、災害復旧貸付制度が実施されます。これは、日本政策金融公庫および商工組合中央金庫が、運転資金や設備資金を必要とする事業者に対して、特別枠での融資を行うものです。この融資制度は、災害時における迅速な事業再建を支援することを目的としており、事業資金の確保が困難な状況に置かれた企業にとっては極めて重要な施策です。実際に、被災後すぐに運転資金を確保できるかどうかが、その後の事業継続の可否を左右するケースも少なくありません。

さらに、信用保証協会によるセーフティネット保証4号の適用も発表されました。この制度は、災害救助法が適用された十島村の中小企業・小規模事業者を対象に、売上の減少等の影響が確認された場合、信用保証協会が一般保証枠とは別に100%保証する仕組みです。これにより、通常では保証が難しいケースでも、新たな融資を受ける際の障壁が大きく軽減されるため、多くの事業者にとって大きな安心材料となります。官報にて地域の指定が告示される予定ですが、すでに信用保証協会では事前相談の受付が始まっており、スピーディーな支援が進められています。

また、すでに融資を受けている企業に対しても、柔軟な対応が促されています。日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会には、既往債務に対する返済条件の緩和措置、つまり返済猶予などの対応を要請しており、貸出手続きの迅速化や担保徴求の緩和なども含まれます。これにより、資金繰りに逼迫している企業が一時的に返済を見合わせることで、再建のための時間的猶予を確保できるよう配慮されています。

加えて、小規模企業共済に加入している事業者に対しては、中小企業基盤整備機構による災害時貸付が適用されます。この制度では、災害救助法の適用地域である十島村の共済契約者に対して、原則即日での低利融資が行われます。緊急の資金調達が可能となるため、地震により甚大な被害を受けた事業者の迅速な対応が可能となり、これもまた事業継続への大きな支援となります。

これらの施策は単なる資金提供にとどまらず、被災地域における事業活動の再起を支える包括的なサポート体制を築くものです。中小企業や小規模事業者にとっては、売上減少や設備の損壊といった直接的な影響に加え、取引先の信用不安や従業員の雇用維持といった間接的な課題にも直面しています。経済産業省によるこれらの支援策は、まさにそうした課題に対して多面的に対応するためのものであり、官民連携による回復支援の好例といえます。

今後も地震による被害状況の把握が進むにつれて、追加的な支援策が講じられる可能性があります。企業の採用担当者にとっても、こうした災害時の国の支援措置を正確に理解し、現場の人材確保や従業員支援の体制構築に役立てることが求められます。とくに、地域に根差した中小企業では、従業員一人ひとりの生活と企業の存続が密接に結びついており、被災時の支援情報をいかに早くキャッチし、適切に活用できるかが、その企業の命運を分けることにもなりかねません。

⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ

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