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2025年7月4日

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国内リユース市場が3兆1,227億円に成長、2030年には4兆円規模へ拡大見通し

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リユース等の促進に関するロードマップの方向性の公表について(環境省)

環境省は2025年6月20日、リユースのさらなる普及と定着を目指し、「リユース等の促進に関するロードマップの方向性」を公表しました。これは、令和6年度中に開催された検討会の中間とりまとめと、令和7年1月以降に4回にわたり実施された「リユース促進に向けた懇談会」での意見交換を踏まえたものです。このロードマップは、使用済製品の再利用を通じて環境負荷を低減し、循環型社会への移行を加速させることを目的としています。

注目すべきは、環境省が実施した2023年の消費者調査で、過去1年間に中古品を購入した経験があると答えた人の割合が約30%にとどまったという点です。つまり、リユース市場が拡大する一方で、多くの消費者にとってはまだ馴染みのない選択肢であることが浮き彫りになりました。これに対し、同年のリユース市場の規模は3兆1,227億円に達し、2009年の1兆1,274億円から着実に拡大を続けています。この伸びは、今後も継続する見込みであり、2030年には約4兆円規模に達すると予測されています。

また、古物営業の許可件数も2023年末には52万9,024件となり、前年比で約4.5万件増加するなど、業界への新規参入が活発化しています。さらに、国の政策目標として、現在約300の自治体がリユース業者と連携した取組を実施している状況から、2030年までにはその数を600に倍増させる方針が掲げられています。

このような状況を踏まえ、環境省はリユースの促進が単に廃棄物の削減やCO2排出抑制にとどまらず、消費者の生活の質の向上や新たな経済価値の創出、地域コミュニティの活性化など、多方面に波及する効果があるとしています。たとえば、リユース品の購入や販売を通じて所得が増えたり、新品では手が届きにくい商品が手頃な価格で入手できることが、家計の支援にもつながると強調しています。

さらに、環境省はリユース市場の健全な発展を支えるために、優良事業者のガイドラインを策定する方針を打ち出しています。不正業者の排除や、オンラインプラットフォームの信頼性向上も含め、リユースに関する安全・安心な環境の整備を進めることが課題とされています。

今後のスケジュールとしては、2025年度中にリユース促進に関する最終的なロードマップを策定し、2026年度以降にその実行とフォローアップを進めていく見通しです。また、2030年までには「リユースが当たり前」の社会を目指し、消費者、自治体、企業が協働して製品を長く大切に使うライフスタイルの確立が求められています。

リユースの対象は家電や家具にとどまらず、こども服や制服、オフィス用品など多岐にわたっています。こうした製品の回収、整備、再販売に取り組む事業者や自治体は、単に資源の有効活用に寄与するだけでなく、社会課題の解決にも貢献しています。たとえば、リユース品を地域の学校に寄贈したり、障がい者雇用の場として活用する事例も報告されています。

このような総合的な視点に基づいたロードマップの推進により、日本のリユース産業は今後さらに多様化・高度化していくことが期待されます。そしてそれは、環境保護と経済活動の両立を実現する循環経済の重要な柱として、国民一人ひとりの行動に結びついていくでしょう。

⇒ 詳しくは環境省のWEBサイトへ

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