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2025年4月12日

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国内航空旅客数が850万人を突破、前年比12.6%増でコロナ前水準超え(航空輸送統計速報 令和7年1月分)

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航空輸送統計速報(令和7年1月分)(国交省)

令和7年3月27日、国土交通省総合政策局情報政策課交通経済統計調査室より発表された「航空輸送統計速報(令和7年1月分)」は、国内外の航空輸送の動向が明確に示された内容となっており、航空業界だけでなく、物流、観光、人材戦略を担う企業にとっても多くの示唆を含んでいます。特に旅客・貨物ともに前年同月比で大幅な増加が見られた点は、ポストコロナにおける社会活動の回復基調を反映しており、業界全体の好転を裏付ける指標と言えるでしょう。

まず、国内定期航空における1月の旅客輸送量は858万6,000人で、前年同月比12.6%の増加となりました。人キロベースでは81億4,176万キロと、同12.3%の増加を記録し、2019年1月比でもそれぞれ6.9%、9.0%と上回る水準に達しています。これはコロナ禍以前の水準を超える力強い回復を意味しており、ビジネス出張、観光、帰省需要が再び活性化していることを如実に表しています。座席利用率も72.4%と前年を上回り、航空会社にとって収益性向上の観点からも追い風となっています。

一方、国内貨物輸送においても好調が続いており、トンベースで46,635トン(前年比17.6%増)、トンキロベースで49,318千トンキロ(同15.5%増)となりました。重量利用率は50.3%であり、貨物専用便の運用効率向上が進んでいることが分かります。特に注目すべきは、幹線である東京(羽田)〜新千歳間での貨物輸送が9,315トンと前年同月比131.9%、羽田〜関西間が599トンで159.1%増となっており、大都市間輸送の強化が顕著です。これはEC市場の拡大や、スピード物流の需要増が背景にあると考えられ、サプライチェーン全体における航空便の重要性が再確認された形となっています。

また、ローカル線の回復も見逃せません。羽田〜鹿児島間では旅客数が20万3,000人と前年比115.0%、羽田〜広島間が14万9,000人で123.0%と、それぞれ二桁成長を見せています。これは地方への人流の回復を示すものであり、地方空港を拠点とした地域活性化の動きにも弾みがつく可能性があります。

国際航空についても、回復基調がより鮮明です。1月の旅客数は194万4,000人で前年同月比28.7%の増加、人キロベースでは91億5,945万キロ(同26.2%増)、座席利用率は82.9%と非常に高い水準を記録しました。2019年1月比でも旅客数は0.7%増、人キロでは9.2%増と、いよいよポストコロナ時代における国際移動が本格化してきたことが伺えます。特に中国路線の旅客数は31万3,000人(前年比180.4%)、韓国路線が15万0,000人(117.4%)、その他アジア路線では87万5,000人(123.0%)と、アジア地域を中心に活発な移動が確認されました。

国際貨物輸送に関しては、前年同月比で9.0%増の117,416トン、トンキロベースでは6.2%増の652,765千トンキロを記録しました。地域別に見ると、中国向けが約2,889万キロ(前年比111.6%)、アジアその他が3,854万キロ(111.1%)、アメリカ大陸が3,119万キロ(102.0%)と、主要貿易国向けの輸送量が安定的に推移しており、航空貨物の国際競争力が維持されていることを示しています。重量利用率は67.6%と堅調であり、燃料コストの高止まりが続く中でも、一定の収益性を確保できる構造が形成されつつあります。

このような航空輸送の回復状況は、航空会社や空港運営会社のみならず、製造業、商社、観光業、そして物流関連企業にとっても戦略見直しの重要な材料となります。たとえば、国内外の人流・物流の活性化は、空港周辺におけるビジネスチャンスの拡大や、新規路線の開設、航空需要に対応した人材採用や設備投資の検討を促す契機になります。特に企業の採用担当者にとっては、空港関連業務や旅行・観光業界での雇用機会の増加、外国語対応や接客サービスのスキルを持つ人材ニーズの拡大が予測され、採用計画や研修体制の見直しが求められるタイミングに差し掛かっています。

また、航空機の稼働時間も全体で7,104時間46分(前年同月比86.5%)と、安定的に推移しており、航空業界が長期的な正常化に向けて確実に歩を進めていることが分かります。ジェット燃料の消費量も国内外合わせて844,127キロリットルと大きく増加しており、航空インフラ全体の稼働が回復段階にあることを裏付けています。

このような航空輸送の動向は、観光立国を掲げる日本にとっても重要な国家戦略の一部であり、今後の地域経済の再構築やインバウンド戦略の展開にも大きな影響を与えます。さらには、企業のグローバル展開を支える基盤として、空港や航空ネットワークの整備状況を採用活動や事業計画に組み込む動きも加速することが予測されます。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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