2025年4月18日
労務・人事ニュース
国内26社を網羅!再生医療CDMOリストで広がる製造連携の新展開
- 初任者研修/介護職員・ヘルパー/有料老人ホーム/日勤・夜勤
最終更新: 2025年4月30日 23:35
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最終更新: 2025年5月1日 04:09
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最終更新: 2025年5月1日 09:34
再生医療等製品CDMO企業リストを公表しました(経産省)
2025年4月1日、経済産業省は日本国内の再生医療や細胞医療、さらには遺伝子治療に関する受託開発・製造事業者、いわゆるCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)をリスト化し、「再生医療等製品CDMO企業リスト」として発表しました。今回の取り組みは、同省が推進するバイオ医薬品製造分野における産業基盤の整備の一環であり、創薬ベンチャーやアカデミアの研究者といった創薬開発の担い手と、製造分野で専門的な技術と体制を持つCDMO企業との連携を強化することを目的としています。再生医療の分野は、近年その可能性と市場の拡大性が世界的に注目されており、日本でもiPS細胞をはじめとする先進的な研究成果が次々と生まれています。その一方で、再生医療や細胞治療、遺伝子治療に必要とされる製造工程は極めて高度で複雑であるため、研究と製造の分業体制が欠かせません。
創薬の初期段階はアカデミアやスタートアップによって推進されることが一般的である一方、治験薬や製品としての製造には、品質・安全性・再現性を確保するために専門的な設備と技術が求められます。ここで重要となるのがCDMOの存在であり、創薬ベンチャーや研究機関がその技術的課題を解決するために、経験と実績を有する製造受託企業と連携する体制が整っているかどうかが、事業化の成否を大きく左右します。今回公表されたリストでは、国内に法人登記を持ち、製造拠点を保有する26社が掲載されており、それぞれがどのようなモダリティ、すなわち細胞、ex vivo型の遺伝子治療、ウイルスベクター、プラスミドDNA、さらにはmRNAといった技術領域に対応しているのかが明らかになっています。
このリストの作成には、再生医療イノベーションフォーラム(FIRM)が全面的に協力しており、公表されている情報に加え、独自に実施したアンケート調査をもとに、各社の製造体制やモダリティ対応の経験など、実用的な情報が網羅されています。調査期間は2024年12月から2025年2月にかけて実施され、製造能力や体制、取り扱い可能な製品種別など、多岐にわたる情報が整備されました。
CDMO企業の情報が一覧で可視化されたことにより、これまで個別に情報収集が必要だった創薬ベンチャーにとって、連携先を見つけやすくなったという大きなメリットがあります。また、製造を委託する側の研究機関としても、事前に技術的なマッチングを見極めることができるため、開発期間の短縮やコストの最適化にもつながると期待されています。実際、再生医療等製品は従来の低分子医薬品と比べて製造工程が特異であり、一律の製造プロセスが通用しないケースも多いため、CDMOの経験や対応力が極めて重要となります。
経済産業省では、今回のリストの活用を通じて、国内のバイオ医薬品産業の競争力をさらに高めていく考えです。また、CDMO企業にとっても、本リストにより自社の技術や体制が国内外のパートナーに認知されやすくなるため、ビジネス機会の拡大につながる可能性があります。さらに、本リストは定期的に更新される予定であり、新たな参入企業や設備の拡充などにも柔軟に対応していく構えです。なお、掲載内容に変更や追加を希望する企業は、FIRM事務局に連絡を行うことで対応が可能とされています。
再生医療の市場は、今後数兆円規模に拡大すると予測されており、それに伴ってCDMO市場も成長が見込まれています。企業の採用担当者や事業開発部門にとっては、こうした分野に強みを持つ企業の動向を把握することが、今後の戦略策定にも資する情報となるでしょう。特に、バイオ医薬品の製造では従来の化学系とは異なる人材像が求められることから、設備や技術だけでなく、研究開発と製造をつなぐことができる人材の確保がカギを握ると考えられています。
また、本リストの存在は、企業間連携を促進する「橋渡し」の役割も果たします。例えば、あるCDMOがmRNA製品に特化した製造技術を有していれば、その技術を必要とする創薬ベンチャーが直接コンタクトを取ることができるため、これまで以上に効率的なマッチングが可能となります。さらに、政府が主導してこうした情報を整理・発信していることは、産業界にとっての信頼性と利便性を高める意味でも非常に重要です。
以上のように、今回公表された「再生医療等製品CDMO企業リスト」は、創薬から製造までを一貫して支える産業基盤として、再生医療の社会実装を加速させるための鍵となる情報です。企業の採用担当者や経営企画部門にとっては、自社の今後の方向性を見極めるうえでも、こうした国の動向や支援策をしっかりと把握しておくことが、競争力のある人材戦略と技術戦略の両面で欠かせないものになるでしょう。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ