2025年7月10日
労務・人事ニュース
夏季の分蜜糖消費437.4千トン予測、製菓業界の需要動向に注目
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最終更新: 2025年7月9日 23:04
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砂糖及び異性化糖の需給見通しについて(農水省)
令和7年6月25日、農林水産省は令和6砂糖年度および同年度7月から9月期における砂糖および異性化糖の需給見通しを公表しました。これは、「砂糖及びでん粉の価格調整に関する法律」に基づき、四半期ごとに砂糖や異性化糖の消費量および供給量の見通しを明らかにすることで、生産者、製造業者、実需者をはじめとした関係者が今後の動向を的確に把握できるようにするためのものです。
令和6砂糖年度における分蜜糖の年間消費量の見通しは1,756千トンと予測されており、前年からの増加幅は14千トン、増加率は0.8%と緩やかな伸びを示しています。この分蜜糖には上白糖やグラニュー糖など、さとうきびやてん菜を原料として製造される代表的な精製糖が含まれます。加えて、7月から9月期の四半期では、分蜜糖の消費量は437.4千トンと見込まれており、暑さのピークにあたるこの時期における消費需要の高まりが反映されています。
含蜜糖に関しては、年間見通しで38千トンとされ、前年比で8.6%、3千トンの増加が見込まれています。含蜜糖とは、主に黒糖のように糖蜜を分離せずに固化したもので、特に健康志向や自然志向の高まりにより需要が増加していると考えられます。7月から9月期の消費量については7.9千トンが見込まれており、季節商品や地方特産品としての用途が一定の影響を与えていると推測されます。
加糖調製品については、令和6年度全体で368千トンの消費が見込まれており、これは前年比で11千トン、率にして3.1%の増加となります。7月から9月期の見通しは96.1千トンとされ、これも季節的な要因や夏季の製菓需要の高まりなどを背景にした増加と見られます。加糖調製品は、複合加工された食品原料として、製パン業界や飲料業界でも利用が広がっており、その安定供給と価格動向は、食品業界全体に影響を及ぼす重要な要素となっています。
一方、異性化糖の消費量見通しについては、年間で774千トン、前年比で2千トン、0.3%の微増が予測されています。7月から9月期については213.2千トンと見込まれています。異性化糖とは、主に清涼飲料水に使用されるブドウ糖と果糖の混合液糖であり、夏季の飲料需要が高まるこの時期にはとくに消費が増える傾向にあります。異性化糖の価格や供給安定性は、飲料業界の製品戦略に直結するため、各企業にとってその需給見通しは注視すべき情報といえるでしょう。
供給量の見通しについても明確に示されています。まず、国内産糖の年間供給量は694千トンとされ、これは日本国内の製糖工場や農業生産活動の動向と密接に関係しています。輸入糖は1,130千トンと見込まれており、特に7月から9月期には294.3千トンが供給される予定です。このように輸入糖は日本の砂糖需給バランスを保つうえで大きな役割を果たしており、為替変動や国際的な需給状況の影響を受けやすいことから、政府と企業双方にとって注意が必要です。
さらに、加糖調製品および異性化糖においても、消費と供給が並行するかたちで需要に応じて調整されており、年間ではそれぞれ368千トンと774千トン、7月から9月期では96.1千トンと213.2千トンの供給が見込まれています。これは、生産体制が消費動向に即応するかたちで整備されている証拠であり、季節性や消費者ニーズを反映した供給構造の存在を示しています。
砂糖年度という制度上の区分、すなわち10月1日から翌年9月30日までを単位とした需給の見通しは、日本における農業・食品産業の計画的運営に資するものです。今回の見通しで示されたように、分蜜糖、含蜜糖、加糖調製品、異性化糖といった各カテゴリの需要が堅調に推移していることは、甘味料関連産業が安定的に成長している証左ともいえます。
特に企業の調達担当者や製品開発に携わる担当者にとっては、原料価格の変動リスクを見越した購買戦略や、供給の安定性に基づいた製品設計が今後より一層求められるでしょう。また、消費者の健康志向や甘味料選好の変化も踏まえ、分蜜糖から含蜜糖、さらには人工甘味料や代替糖への切り替えニーズが広がる可能性もあることから、市場トレンドの変化を先取りした戦略的判断が企業の成長を左右する重要な鍵となります。
このように、農林水産省が示した需給見通しは、単なる数字の羅列にとどまらず、日本の食卓と産業界を支える基盤情報として極めて有用です。今後の価格調整施策や供給計画を検討するうえで、業界各所の関係者にとって信頼性の高い判断材料となることは間違いありません。
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ