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2025年4月2日

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官公需契約の価格交渉を強化へ!政府が新方針を決定

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官公需における価格交渉・転嫁等について新たな取組方針を確認しました(経産省)

政府は官公需契約における価格転嫁の促進やダンピング排除の強化に向け、新たな方針を打ち出した。2025年3月17日、経済産業省の主導により、第7回「官公需に関する関係府省等副大臣会議」がオンラインで開催され、古賀経済産業副大臣が出席した。会議では、令和7年度の「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」の策定に向けて関係府省間で意見交換が行われ、政府としての取り組み方針が確認された。

官公需とは、国や地方公共団体が行う公共調達を指し、中小企業にとって重要な受注機会となる分野である。政府はこの分野において、中小企業の受注機会を確保し、適正な価格交渉を推進するため、毎年度基本方針を策定し、閣議決定している。本副大臣会議は、官公需における中小企業の参入機会の拡大や、価格転嫁の適正化を議論する場として設けられ、各府省の副大臣がハイレベルな意見交換を行っている。

今回の会議では、石破総理が各省庁に対し、官公需における価格交渉と価格転嫁の適正化を強く指示したことを受け、政府全体での対応強化が話し合われた。また、官房副長官からも、官公需に関する諸課題を議論し、必要な施策を進めるよう求める指示が出されていた。この指示を踏まえ、副大臣会議では基本方針の策定にとどまらず、公共調達の課題全般についても意見交換が行われた。

会議では、令和7年度の基本方針に向けて、価格転嫁の促進に関する具体的な施策が話し合われた。特に、官公需の役務契約や複数年度契約において、受注者からの申出がなくても国や公共機関が年に一度以上の協議を行い、価格転嫁を率先して進めることが確認された。これにより、中小企業が不利な価格で契約を継続することを防ぎ、適正な利益を確保できる環境の整備を図る。また、公共工事においては、受注者から価格改定の申出があった際、「予算がない」「前例がない」といった理由で一方的に拒否することなく、誠実な対応を行うことを求める方針が示された。これにより、実際の労務費や資材価格の変動が適切に契約価格に反映されることが期待される。

低価格入札の問題についても議論が行われ、過度な低価格での入札を防ぐため、低入札価格調査制度の実効性を強化する方針が示された。特に、調査時には単価が市場価格に適合しているかを厳格に確認することで、不当に安い価格での契約を抑制する仕組みを整える方針が打ち出された。また、基本方針の閣議決定時期については、予算成立後、できる限り早い時期に決定し、官公需契約の適正化を迅速に進めることが確認された。これにより、中小企業の受注環境を早期に整え、契約の適正化を実現することが目的とされている。

今回の会議では、政府として官公需の適正化に向けた強い決意が示された。特に、価格交渉や転嫁について、発注者側が積極的に対応する仕組みを構築することで、中小企業が不利な立場に置かれることを防ぐ。また、低価格入札の問題にも対応し、ダンピングを排除することで、健全な競争環境を整える方針が打ち出された。これらの施策は、政府の調達に関わる中小企業にとって大きな影響を与えるものとなる。価格転嫁の適正化が進めば、企業はより健全な経営が可能となり、公共事業への参入がしやすくなることが期待される。また、低価格入札の監視が強化されることで、質の高い公共サービスの提供にもつながる。

今後、政府は本会議での意見交換を踏まえ、令和7年度の基本方針を速やかに閣議決定し、各省庁へ徹底する方針である。中小企業にとっては、今後の官公需契約の変化を注視し、適正な価格交渉の機会を活かすことが重要となる。政府の新たな方針により、官公需契約の透明性と公正性が向上することが期待される。

⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ

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