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2025年4月25日

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汎用品にも許可義務化!通常兵器補完規制の改正で輸出管理体制が大転換

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「外国為替令等の一部を改正する政令」が閣議決定されました(経産省)

2025年4月4日、経済産業省は「外国為替令等の一部を改正する政令」が閣議決定されたことを発表しました。今回の改正は、国際社会との連携を深めながら、大量破壊兵器の拡散防止や通常兵器の過剰な蓄積の防止を目的とし、安全保障上の観点から輸出管理制度を強化するための重要な施策となります。特に、技術の進展によって軍事転用が容易になった近年の国際情勢を背景に、日本としても国内法制度を不断に見直し、国際的な約束の履行を確実に進める必要があるとの判断がなされました。

今回の政令改正は、令和6年4月24日に取りまとめられた経済産業省産業構造審議会通商・貿易分科会安全保障貿易管理小委員会の中間報告に基づいたもので、その提言をもとに具体的な制度改正が実施されます。改正の主眼は三つの柱から成っており、それぞれが我が国の輸出管理体制にとって極めて重要な意味を持ちます。

まず一つ目として、一般国向けに対する通常兵器関連の補完的輸出規制が見直されます。具体的には、特定の汎用品や汎用技術であっても、通常兵器の開発や製造に転用される可能性があると経済産業省が判断した場合には、その輸出について経済産業大臣の事前許可を義務づけるという内容です。これにより、たとえ非軍事目的であっても、リスクのある物資や技術の流出を抑止するための制度的な枠組みが強化されることとなります。

次に、グループA国を経由した物資の迂回輸出への対策が強化されます。従来、日本が安全保障上の懸念を有しないと認定してきた一部の国や地域、いわゆるグループA国であっても、そこを経由して懸念国に物資が流れる「第三国迂回輸出」のリスクが高まっている現状を踏まえ、対象国・地域に輸出される物資や技術についても経済産業省から通知を受けた場合には、同様に事前許可が必要となります。この改正により、国際的な輸出管理の信頼性が一層高まるとともに、日本の産業界が国際的なビジネスにおいて責任あるプレイヤーであることを示す意義もあります。

最後に、自衛隊と共同訓練を実施する同志国部隊に関する規定も緩和されました。これまでは、共同訓練後に国外へ装備を持ち出す場合にも許可申請が必要でしたが、今後はこのようなケースについては例外措置とし、手続きを不要とする方針が打ち出されました。この改正は、国際的な安全保障連携の円滑化を意図しており、日本が主導する多国間の防衛協力を制度面から支える措置といえます。

本改正により、企業が日々取り扱う製品や技術が新たに規制対象となる可能性があるため、製造業や輸出関連企業の法務・コンプライアンス部門、さらには採用担当者も含めて、体制の見直しや人材育成への対応が求められます。特に、技術管理の厳格化は、エンジニアや研究者の業務にも直接関係してくるため、新たな法令遵守教育の導入や社内規定の再整備が急務となるでしょう。採用においても、法規制を理解した人材の育成・確保が企業の持続的成長に直結する時代となっています。

⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ

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