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2025年4月17日

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法人取引量指数が266.3で1.6%減、非住宅市場で6.3%減少(令和6年12月)

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法人取引量指数 令和6年12月分を公表(試験運用) ~全国において、前月比1.6%下落~(国交省)

国土交通省が2025年3月31日に公表した「法人取引量指数(令和6年12月分)」によれば、日本全国における法人による既存建物の取得活動は前月に比べて減少傾向を示した。具体的には、全体の季節調整値は266.3であり、前月比で1.6%の下落という結果となっている。この指数は登記データに基づき、法人が取得した既存の住宅および非住宅の所有権移転登記件数を加工・指数化したもので、既存住宅販売量指数と同様の手法で季節調整も行われている点に特徴がある。2010年の平均を100とする本指数において、今回の下落は法人市場における取引活動の一時的な停滞を示唆している。

内訳を見ていくと、住宅合計の季節調整値は296.3で、前月比では0.7%の微増であった。これをさらに詳細に分解すると、戸建住宅が336.1で前月比0.8%の増加、マンション(区分所有)が261.2で前月比2.2%の上昇となっており、住宅分野全体では堅調な動きが見られる。一方、非住宅の季節調整値は213.0となり、前月比では6.3%の大幅な下落を記録している。これらの動向は、法人による不動産投資や資産運用の目的、経済情勢に対する企業の姿勢を反映しており、特に非住宅部門では企業活動の慎重姿勢が一段と強まっている可能性がある。

都市圏別に見ると、南関東圏では全体指数が241.3で前月比3.9%の下落、名古屋圏は324.8で6.7%の上昇、京阪神圏は278.8で1.1%の上昇となった。東京都単体では232.7で前月比4.3%の減少を記録しており、特に非住宅部門では14.2%という大幅なマイナスとなっている。一方、愛知県は344.8で前月比12.2%の増加、大阪府は272.7で2.0%の減少となっている。都市圏や都道府県ごとの違いは、地域経済の強さや不動産開発の進行状況、法人の投資スタンスの差異によるものであり、特に名古屋圏や愛知県のような中部圏では法人の積極的な取引活動が継続していることが読み取れる。

注目すべきは、マンションの30平方メートル未満の小規模物件を除いた場合の指数がそれぞれ異なる値を示しており、マンションにおける小規模物件の存在感が大きくなっていることを意味している。法人が取得するワンルームや投資用の小規模物件は、賃貸運用や再販目的での取得が多く、市場の活性化に寄与している一方で、住宅供給の質や都市計画とのバランスが問われる局面も見受けられる。

このような法人取引量の推移は、企業の不動産投資戦略や拠点再編、施設更新などと密接に関連している。たとえば、大規模法人がオフィスの集約や物流拠点の再編を進める際には、非住宅不動産の取得が集中する一方、中小企業による事業用不動産の取得は経済状況や金利動向の影響を強く受ける。現在のようなインフレ傾向や資材価格の高止まり、金利の先高観があるなかで、法人の不動産取引は慎重さを増しており、その結果として非住宅取引の減少に表れている可能性がある。

こうした状況を受けて、不動産関連企業やデベロッパーにおいては、法人ニーズを的確に捉えた営業戦略の再構築が求められている。とくに、地域ごとの市場特性に応じた法人向け営業人材の育成、収益不動産に関する提案力を持つアカウントマネージャー、投資分析に基づいたアセットマネジメント職など、専門性の高い職種へのニーズが一段と高まっている。また、ESG投資の視点から環境性能に優れた不動産への需要が増しており、これに対応できる不動産コンサルタントの採用も注目される。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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