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2025年4月3日

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消費者の購買率を最大17.71%向上!ネイチャーポジティブ製品の市場活性化実証結果を公開

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「デコ活」における実証事業の結果について ~ネイチャーポジティブ市場創出に向けた消費者の購買行動を調査~(環境省)

環境省は、「デコ活」の一環として「ネイチャーポジティブ」に貢献する製品市場の活性化を目的とした実証事業を実施し、その結果を公表した。「デコ活」とは、脱炭素社会の実現に向けた新しいライフスタイルを推進する国民運動であり、今回の調査では消費者が生物多様性に配慮した商品をどのように選択するのかを詳しく分析した。この取り組みは、2050年のカーボンニュートラルと2030年度の温室効果ガス削減目標の達成に向けた国民の行動変容を促すために行われ、持続可能な生産や調達を実現するためのネイチャーポジティブな取り組みと、循環型経済の統合的な推進が求められている。

実証事業では、消費者がどのような情報をもとにネイチャーポジティブ製品を選択するのかを明らかにするため、ウェブアンケートによる購買行動分析と、AI技術を活用した因果関係の探索を実施した。その結果をもとに、情報提供の方法や内容を最適化し、消費者の購買行動にどのような影響を及ぼすのかを検証するため、協力企業と連携し、ECサイトや宅配事業、小売店舗での実証試験を行った。対象商品としては、ASC認証の宮城県産生食用牡蠣、新潟県佐渡産のコシヒカリ、RSPO認証を取得したハンドソープの3種類が選定された。

調査の結果、消費者が生物多様性に配慮した製品を選ぶ際には、「自然豊かな環境で生産されたこと」や「持続可能な原料の使用」が購入意欲に強く影響を与えることが明らかになった。特に、牡蠣の購入に関しては、「自然豊かな地域で生産されたこと」が最も重要な要因として挙げられ、それが「品質の良さ」や「産地のブランド価値」といった認識につながり、最終的に購入意欲を高めることが判明した。また、コシヒカリに関しては、「有機栽培であること」や「品質管理の明記」が購入動機に直結しており、日用品においては「持続可能な原料生産」の記載が購入意欲を高める要因として機能していた。

実証試験では、消費者の購買意欲を高めるための具体的な介入策が検討された。例えば、小売店舗においては、「自然豊かな環境で生産されたこと」を示す写真や説明をポップとして設置し、ECサイトでは認証ラベルや持続可能な生産に関する説明を追加した。その結果、店頭でポップを設置した牡蠣の販売数は5.0%増加し、ECサイトにおいても認証ラベルと説明を加えたハンドソープの購入率が17.71%増加するという成果が得られた。一方で、宅配事業においては、購買率の変化は見られなかったものの、生産地の生き物の写真を掲載した場合、トキ米の新規購入率が約2倍に増加するという傾向が確認された。

これらの結果から、消費者の購買意欲を高めるためには、単にエコラベルを表示するだけでなく、「生産地の自然の豊かさ」や「持続可能な取り組みの具体的な内容」を視覚的かつ分かりやすく伝えることが有効であることが示唆された。特に、ネイチャーポジティブな取り組みを伝える際には、購入者に対して環境保護への貢献が実感できるような情報提供が求められる。例えば、ハンドソープにおいては、RSPO認証ロゴだけでなく、持続可能な原材料がどのように生産されているのかを説明することで、購入意欲を向上させることが可能である。

この調査結果を踏まえ、環境省は今後も企業や業界団体と連携し、消費者の行動変容を促進するための情報提供のあり方についてさらに研究を進める方針を示している。特に、今後の施策として、消費者が店頭やECサイトで環境に配慮した選択がしやすくなるよう、商品情報の表示方法やマーケティング手法の改善を検討することが重要となる。また、スーパーマーケットトレードショー2025では、約120名の関係者に対してこの取り組みの説明を行い、大手卸売業や外食産業の企業から今後の活動に賛同を得たことも報告されている。

このような取り組みは、企業にとっても大きなメリットをもたらす。環境意識の高まりに伴い、消費者の多くが持続可能な商品を選びたいと考えているものの、適切な情報が提供されていないためにその選択が難しくなっているのが現状である。今回の実証事業の結果を活用することで、企業はネイチャーポジティブな商品の魅力をより効果的に伝え、環境配慮型の市場を拡大することが可能となる。

今後、環境省はこうした取り組みの成果を行動変容ワーキンググループなどを通じて業界全体に共有し、持続可能な市場の形成を推進していく考えである。消費者が環境に配慮した選択をすることで企業も持続可能なビジネスモデルへと転換し、社会全体がカーボンニュートラルの実現に向けて前進することが期待されている。

⇒ 詳しくは環境省のWEBサイトへ

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