2025年3月27日
労務・人事ニュース
第76回獣医師国家試験、合格率71.9%―新卒83.8%、既卒40.6%
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最終更新: 2025年4月30日 22:32
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第76回獣医師国家試験(令和6年度)の結果について(農水省)
令和7年3月12日、農林水産省より第76回獣医師国家試験の結果が発表された。今回の試験は令和7年2月12日(水)および13日(木)に、北海道、東京、福岡の3か所で実施され、多くの受験者が挑んだ。この試験は、獣医師としての資格を得るための重要な関門であり、試験結果は今後の獣医療業界の人材動向に大きく影響を与えるものとなる。
試験の合否判定基準は、必須問題とその他の問題に分けられ、それぞれ異なる基準が設定された。必須問題については、必要な補正を施したうえで、70%の得点率を合格基準とした。また、学説A・Bおよび実地C・Dといったその他の問題については、総合点の60%を基準として合否が判定された。この基準は、獣医師として必要な知識と実務能力を測るために設けられており、受験者の理解力や応用力が問われる内容となっている。
試験結果の詳細を見ると、全体の受験者数は1,440人で、そのうち1,036人が合格し、合格率は71.9%となった。区分別に見ると、新卒者の受験者数は1,047人で、そのうち877人が合格し、合格率は83.8%という高い水準を記録した。これは、大学などでの教育が国家試験に向けた対策を十分に行っていることを示しており、新卒者の準備度の高さがうかがえる。一方、既卒者の受験者数は379人で、合格者数は154人、合格率は40.6%と新卒者と比較すると低い結果となった。これは、卒業後に臨床経験を積むことで試験対策に十分な時間を確保できないことや、受験回数が増えるごとに難易度が上がるといった要因が影響している可能性がある。また、「その他」の区分に分類された14人の受験者のうち、合格者は5人であり、合格率は35.7%となった。
今回の試験結果から分かることは、獣医師資格を取得するためのハードルは依然として高く、特に新卒者と既卒者の合格率に大きな差がある点が特徴的である。獣医療は専門性が高く、日々の進歩が著しい分野であるため、試験対策だけでなく、現場での実務経験も重要になる。そのため、既卒者が合格率を上げるためには、継続的な学習と試験対策の両立が求められる。
獣医師国家試験の合格者は、今後、動物病院、家畜衛生、食品安全分野など、さまざまな分野で活躍することが期待される。近年、ペットの高齢化が進み、動物医療の需要が増しているほか、畜産業においても家畜の健康管理や感染症対策が重要視されている。さらに、食品安全の分野では、食肉の衛生管理や家畜由来の疾病防止など、獣医師の役割が拡大している。したがって、今回の試験で合格した1,036人の新たな獣医師たちは、それぞれの専門分野で日本の動物医療と公衆衛生を支える重要な存在となるだろう。
また、獣医師の人材不足が懸念される中、合格率の推移は業界にとっても関心の高い指標となる。特に地方では獣医師の不足が深刻であり、新たな獣医師の確保が地域の畜産業や動物医療の充実に直結する。今後は、獣医師の養成を強化するとともに、試験対策の充実を図ることが求められる。
今回の試験結果を受けて、受験者や獣医療業界に携わる人々にとっては、今後の試験対策や資格取得の重要性が改めて認識されたといえる。特に、合格率が低かった既卒者に対しては、試験対策の強化や学習支援の充実が課題となるだろう。今後も獣医師国家試験の動向を注視し、獣医療の発展に貢献する人材の確保が進められることが期待される。
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ