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2025年3月31日

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経済産業省が商品情報プラットフォーム構築へ、流通業36社と共に標準化を推進

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共通の商品マスタでサプライチェーンを効率化します(経産省)

経済産業省は、2025年3月14日に「商品情報連携標準に関する検討会」を開催し、流通サプライチェーン全体の生産性向上を目的とした「商品情報プラットフォーム」の実現に向けた方針を取りまとめた。本検討会には、メーカー、卸、小売事業者を中心に36者が参加し、サプライチェーンの効率化に向けた課題を共有し、今後の対応策について議論が行われた。また、商品情報の共有を促進するため、実効性のあるガイドラインの策定に向け、2025年度に新たな会議体を設置することが合意された。

現在、流通業界は人口減少と少子高齢化に伴う人手不足に直面しているだけでなく、賃上げや働き方改革などの労働環境の変化にも対応しなければならない状況にある。これに加え、消費財サプライチェーンにおける商品情報の管理方法に関しても、大きな課題が存在している。現状では、メーカー、卸、小売事業者がそれぞれ異なるフォーマットで商品情報を登録・管理しており、手作業による入力が多いため、非効率な業務プロセスが続いている。また、商品に付与されるJANコード(GTIN)についても、頻繁に行われる新商品や期間限定商品の開発によって統一されたルールの徹底が難しく、業界全体で真正性のある情報伝達が行われていない状況である。

このような課題を解決するため、経済産業省は2024年11月に「商品情報連携標準に関する検討会」を立ち上げた。この検討会では、メーカー、卸、小売、商品情報データベース提供事業者などの関係者が協力し、サプライチェーンにおける共通の商品マスタの利用を推進することで、より効率的な商品情報の授受を実現することを目指している。特に、各事業者が独自に管理していた商品情報を統一的なフォーマットで共有できる仕組みを構築することで、業務負担を軽減し、流通業全体の生産性向上につなげることが期待されている。

今回の第3回検討会では、これまでの議論を踏まえ、商品情報プラットフォームの実現に向けた具体的な方針が示された。その中で、特に重要視されたのは、商品情報の共有にあたって必要となる項目の標準化と、情報の授受方法に関する明確なルールの策定である。これにより、各事業者間で統一されたフォーマットを活用し、スムーズなデータ連携を実現することが可能になる。

また、2025年度には、新たに経済産業省主催の会議体を設置し、より実効性のあるガイドラインの策定に向けた具体的な議論を進めることが決定された。ガイドラインでは、商品情報の授受に関する基準を明確化するとともに、事業者が実際に運用しやすい形でのルールを整備することを目指している。この取組みにより、流通業界全体のデジタル化が加速し、サプライチェーンの効率化とともに、消費者への迅速かつ正確な商品情報提供が可能となる。

商品情報プラットフォームの導入は、流通業界において多くのメリットをもたらす。第一に、メーカー、卸、小売の間での情報共有が容易になり、業務の効率化が進むことで、作業時間の短縮やコスト削減が期待される。第二に、商品情報の真正性が確保されることで、誤った情報が流通するリスクが低減し、消費者に対して正確な情報を提供できるようになる。第三に、商品情報の標準化が進むことで、企業間の連携がスムーズになり、新しいビジネスモデルの創出や市場の拡大にも寄与すると考えられる。

さらに、流通業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進という観点からも、この取り組みは重要な意味を持つ。現在、多くの企業が業務のデジタル化を進める中で、商品情報の管理をデジタル基盤の上で統一することは、業界全体の競争力向上につながる。特に、AIやビッグデータを活用した在庫管理や需要予測の精度向上にも貢献し、サプライチェーン全体の最適化が可能となる。

今後、経済産業省は、今回の検討会で取りまとめた方針を基に、業界関係者と連携しながら、商品情報プラットフォームの構築を進めていく。また、2025年度に設置される新たな会議体では、より詳細な議論を行い、具体的なガイドラインの策定と実装に向けた準備を進める予定である。これにより、日本の流通業が抱える構造的な課題を解決し、より効率的で持続可能なサプライチェーンを実現することを目指す。

⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ

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