2025年7月3日
労務・人事ニュース
経産省が新たに明示、サプライチェーン全体への配慮を含めた宣言記載例を発表
-
「夜勤なし」/准看護師/オンコールなし
最終更新: 2025年7月2日 22:34
-
「土日祝休み」/正看護師/整形外科/リハビリテーション科/内科/病院
最終更新: 2025年7月2日 22:34
-
「夜勤なし」/准看護師/学校/介護施設/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年7月2日 22:34
-
看護師/福岡県/野芥駅/福岡市早良区
最終更新: 2025年7月3日 06:33
パートナーシップ構築宣言のひな形を改正しました(令和7年6月20日改正)(経産省)
2025年6月20日、経済産業省は、企業間の適正な取引関係を促進するための「パートナーシップ構築宣言」に関して、宣言内容のひな形を改正しました。今回の改正は、サプライチェーン全体における価格転嫁の実効性を高め、より多くの企業が連携のもとに健全な取引環境を築くことを目指したものです。背景には、企業間の取引構造が複層化するなかで、元請企業から下請企業へと取引が進むにつれて価格転嫁が困難になる傾向があり、これが企業経営に大きな影響を与えているという現状があります。
このような課題を踏まえ、今回の改正では、宣言書の任意記載欄に新たな項目を加えることで、企業が直接の取引先だけではなく、その先にある企業まで含めた広範なサプライチェーン全体への配慮を宣言できるようにしました。具体的には、「直接の取引先だけでなく、サプライチェーンの更に先まで価格転嫁が可能となるような価格決定を行い、その旨をサプライチェーンの隅々まで伝わるよう情報発信します」といった文言を盛り込むことが可能となっています。また、「当社が関わるサプライチェーン全体の共存共栄のため、直接の取引先をはじめ、サプライチェーン全体へのパートナーシップ構築宣言の普及を図ります」といった内容も例示されており、企業の自発的な取り組みがより明確に表現できるようになりました。
これにより、単なる形式的な宣言にとどまらず、企業が実質的にどのような姿勢でパートナーシップを築こうとしているのかを明確に社会に示すことができるようになります。特に、発注元から複数の委託先を経て商品やサービスが提供される構造のなかで、公正な取引の確保や価格転嫁の公平性を実現することは、企業の持続可能性や信用にも直結する重要な課題です。
経済産業省は、改正されたひな形を活用した宣言の更新を既存の宣言企業に対して促していくとともに、まだパートナーシップ構築宣言を行っていない企業にも、この機会に積極的な参加を呼びかけています。そのため、今後は関係省庁との連携のもと、宣言企業に対するメール配信や業界団体を通じた情報提供が実施される予定です。
また、2025年6月20日からは新しいひな形に基づいた宣言の登録が開始されており、記載方法のガイドラインや質疑応答の情報も順次ポータルサイトにて公開される予定です。企業の経営層や人事・総務部門においては、これらの情報をもとに社内の取引方針を見直し、長期的な視点から持続可能な取引関係の構築を図ることが求められます。
こうした取り組みは、単に政府の施策に協力するだけでなく、自社の企業価値を高め、取引先や消費者からの信頼を得るための大きなステップとなります。パートナーシップ構築宣言は、経済のあらゆる層にわたる公正な取引の基盤をつくる制度であり、これを契機に、多くの企業がその意義を再認識し、主体的に取り組んでいくことが期待されます。
なお、改正された宣言のひな形は38KBのWord形式で提供されており、ポータルサイトからダウンロード可能です。企業の実務担当者にとっても扱いやすく、迅速な対応がしやすい仕様となっている点も特徴です。企業規模や業種を問わず、多層的なサプライチェーンを有する事業者にとって、今後の経営方針の中核に据えるべき重要な取り組みの一つといえるでしょう。
⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ