2025年7月9日
労務・人事ニュース
総輸送量25,571千トンとほぼ横ばいもトンキロは1.5%増、輸送の長距離化が進む令和7年3月内航船舶統計
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最終更新: 2025年7月9日 06:34
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内航船舶輸送統計月報の概要(令和7年3月分)(国交省)
令和7年3月における内航船舶の輸送実績が明らかになり、日本の物流を支えるこの輸送手段の最新の動向が報告されました。内航海運は、国内の物流を担う重要な手段であり、特に大量・重量物の安定輸送に欠かせない存在です。今回公表された統計によれば、総輸送量は25,571千トンで、前年同月比で0.1%の微減となりました。一方で、輸送距離を加味したトンキロベースでは13,141百万トンキロと1.5%の増加を記録しており、より長距離の輸送需要が高まっていることが読み取れます。
内訳をさらに詳しく見ると、コンテナ扱いの輸送量は1,784千トン、シャーシ扱いは766千トンと報告されており、内航海運における多様な貨物形態の対応力が反映されています。品目別では、砂利・砂・石材が前年同月比で9.6%の増加、石灰石が4.7%の増加、鉄鋼も5.5%の増加と建設業や製造業に関連する物資の輸送が堅調に推移していることが分かります。一方で、セメントは5.8%の減少、石炭は10.2%の大幅な減少となっており、特に石炭に関してはエネルギー転換や需給バランスの影響が色濃く出ているとみられます。
トンキロベースでの動向を見ても、鉄鋼は5.3%の増加、原油は4.7%の増加とエネルギーやインフラ分野での物流需要は依然として強いことが窺えます。反対に、石炭は12.1%減、化学薬品も2.3%減と減少傾向が続いており、これらの品目については輸送の在り方に見直しの兆しがあるかもしれません。
燃料消費量については、191,772千リットルで前年同月比1.0%の増加が確認されており、これは輸送量の増加や航海距離の微減に対して一定のエネルギー需要の継続が見られる結果といえます。特に大型鋼船の燃料消費量は92,445千リットルで、全体の約半数を占めており、燃費効率や環境負荷軽減に向けた技術革新の必要性も今後ますます高まることが予想されます。
航海距離の合計は10,770千キロメートルで、前年同月比では0.1%の減少となりました。このわずかな減少は、輸送効率の改善や航路の見直しといった取り組みが徐々に成果をあげている可能性を示しています。なお、輸送効率については、全体で40.9%と報告され、貨物船では40.6%、油送船では41.3%という結果でした。これは、船舶の用途や運航形態に応じた効率化の進展状況を示すものであり、今後もより高い効率を目指した運航体制の整備が求められます。
これらの統計から見えるのは、日本国内の物流が依然として内航船舶に強く依存している現実です。特にエネルギー、建設、製造など基幹産業を支える物資の安定供給には、内航海運の存在が欠かせません。その一方で、気候変動対応や環境配慮の視点からは、燃料消費の最適化や再生可能エネルギーの活用といった新たな課題も浮かび上がっています。
今後、企業の物流戦略においては、輸送効率の高い内航船舶の活用がさらに重要になると考えられます。とりわけ、トラックドライバーの人手不足や陸上輸送の制約が深刻化する中、環境負荷の小さい大量輸送手段としての優位性が再評価される可能性があります。また、統計に見られるように品目別の動向を正確に把握することは、サプライチェーンの強靭化やコストの最適化にも寄与するでしょう。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ