2025年7月23日
労務・人事ニュース
自動車整備士の実務経験短縮で若年層の参入を後押し
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「高給与」/准看護師・正看護師/介護施設/駅から近くて通いやすい
最終更新: 2025年7月22日 22:39
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「夜勤なし」/准看護師/内科/学校/腎臓内科/クリニック
最終更新: 2025年7月22日 22:39
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「ブランクOK」/准看護師・正看護師/小児科/クリニック/車で通えます
最終更新: 2025年7月22日 22:39
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「残業ゼロ」/正看護師/介護施設/住宅補助あり
最終更新: 2025年7月22日 22:39
これからも自動車を安心・安全に使用できる社会に向けて ~時代に合わせた整備事業規制のアップデート~(国交省)
令和7年7月8日、国土交通省は自動車整備に関する事業規制の見直しを正式に発表しました。背景には、自動運転車の普及や高度な電子制御技術を搭載した車両の増加、そして整備現場での人手不足といった社会構造の変化があります。これからも日本全国で安心・安全に車が整備される環境を維持するため、今回の法令改正では多岐にわたる改善が盛り込まれています。
特に注目されるのが、整備工場に求められる機器の見直しです。従来は使われなくなった装置や、技術の進化によって役割を終えた機器が法的に設置義務のまま残っていましたが、今回の改正により、トーイン・ゲージやキャンバ・キャスタ・ゲージ、ターニング・ラジアス・ゲージなど、計6種類の機器が不要となりました。一方で、電子的な診断や整備が可能となる整備用スキャンツールの導入は、認証工場の新規取得時や事業所移転時から義務化されることになり、時代に即した設備要件へと変わります。
また、人材不足が深刻化する中で、整備工場の運営体制にも柔軟性が求められています。これまで大型車を扱う指定工場では最低5人の整備工員が必要でしたが、省力化機器の導入や合理的な管理体制が整っている場合に限り、最低人数が4人に緩和されることになりました。これは現場の実態を考慮し、整備能力の維持と事業の継続を両立させるための現実的な措置です。
さらに、自動運転車に関する整備や検査の要件も強化されます。レベル3以上の自動運行装置を搭載する車両の検査には、1級自動車整備士の資格を持つ検査員が必要になります。この施行は令和11年4月1日からとなりますが、それまでの4年間は経過措置として2級整備士による対応も認められる見込みです。技術の複雑化に対応する専門性が求められる中で、整備士の資格体系もより高度なものに見直されています。
資格取得のハードルも緩和され、実務経験年数の短縮が行われました。2級整備士はこれまで3年の実務経験が必要でしたが、今後は2年に。3級では1年から半年に、特殊整備士では2年から1年4カ月に短縮されます。これは若い世代がより早く整備士資格を取得できるよう配慮されたもので、人材確保の観点からも重要な取り組みです。
加えて、従来は紙ベースでの保管が義務づけられていた点検整備記録簿も、電子保存が正式に認められることになりました。これにより、スマートフォンやSDカードに記録を保存し、求められた際には即座に提示できれば問題ないとされ、記録の管理効率が大幅に向上することが期待されます。
研修制度にも大きな変化があります。整備主任者や自動車検査員の研修、整備士養成施設での学科講習について、オンラインによる受講が可能になります。ライブ配信やオンデマンド形式など柔軟な受講形態が整備されることで、地方在住者や多忙な整備士にとっても、学びの機会が拡大します。
最後に、点検作業におけるスキャンツールの活用範囲が広がります。これまで目視確認が主流だったブレーキペダルの踏みしろや、排気ガス再循環装置の機能確認など5項目に関して、電子機器による確認が認められるようになります。これにより、点検作業にかかる平均時間が1台あたり約195秒短縮されると見込まれており、整備現場の生産性向上にもつながるでしょう。
今回の法令改正は、テクノロジーの進化と人材の多様化を背景に、制度そのものをアップデートする意義深いものです。整備業界に関わるすべての事業者は、変化を柔軟に受け入れながら、より質の高いサービス提供に努めていくことが求められます。施行日が迫る中で、各事業者が準備を進めることはもちろん、新たな技術と制度のもとで持続可能な整備体制を築くことが、今後の日本のモビリティ社会を支える鍵となるでしょう。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ