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2024年12月5日

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11月月例経済報告 景気は、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している。

11月月例経済報告(内閣府)

日本政府が発表した令和6年11月の月例経済報告によれば、日本経済は一部に足踏みが見られるものの、全体的には緩やかに回復基調にあるとされます。この報告書は、雇用・所得環境の改善を背景にした国内需要の持ち直しや各種政策の効果が経済成長を支えている一方で、海外からのリスクが依然として国内経済に影響を与える可能性を指摘しています。

具体的に、日本国内では個人消費の持ち直しが確認されており、2024年7月~9月期の民間最終消費支出は前期比0.9%増加しました。この期間のGDP成長率は0.2%の増加(年率0.9%)となり、連続してプラス成長を維持しています。設備投資も前期比1.2%の増加を記録し、特に非製造業の投資が牽引しています。また、住宅着工は全体的に横ばいですが、首都圏のマンション販売は底堅い推移を見せています。

一方で、公共投資は底堅い推移を示し、9月の公共工事受注額は前月比3.8%増加しました。公共事業費については、令和6年度の予算が前年度比で増加しており、この動向が地域経済をさらに支えると期待されています。輸出入に関しては、輸出が全体的に横ばいで推移する中、輸入に持ち直しの兆しが見られるものの、貿易・サービス収支は依然として赤字の状態が続いています。

企業収益は引き続き改善傾向にあり、「日銀短観」によると、2024年度の売上高は前年比で2%以上の増加が予測されています。特に非製造業の増益が全体の収益を支えています。しかし、倒産件数は増勢が鈍化したものの、10月には909件に達し、負債総額も約2,500億円に上りました。

労働市場では、雇用状況が改善を続けており、完全失業率は2.4%に低下しました。人手不足感が依然として強い中で、賃金の増加も進んでおり、実質総雇用者所得は緩やかに回復しています。製造業の残業時間は減少しましたが、民間職業紹介における求人は増加傾向にあります。

物価動向については、国内企業物価が緩やかに上昇し、10月の消費者物価指数は前年比で2.3%増加しました。この物価上昇の背景には、電力料金調整や輸入物価の変動が影響しており、短期的にはさらなる上昇が予想されています。

また、世界経済の動向も注視されています。アメリカでは個人消費や設備投資の増加が続き、7月~9月期のGDP成長率は年率2.8%に達しました。しかし、高い金利水準の継続が下振れリスクとなっています。中国では不動産市場の停滞が続く中、GDP成長率は前年比4.6%増に留まっています。ヨーロッパでも一部に足踏みが見られるものの、全体としては持ち直しの動きが確認されています。

こうした国内外の経済情勢を踏まえ、日本政府は包括的な経済政策の策定に力を入れています。11月に閣議決定された総合経済対策は、賃上げと投資を成長の原動力とする「成長型経済」の実現を目指し、物価高の克服や地方創生の推進、中小企業の支援に重点を置いています。また、令和6年度補正予算の早期成立を目指し、関連施策を迅速に実行する姿勢を示しています。

このような政策の効果を高めるためには、政府と日本銀行の緊密な連携が重要です。日本銀行は賃金と物価の好循環を確認しながら、2%の物価安定目標を持続的・安定的に達成する方針を掲げています。一方で、海外経済の不確実性や国内物価上昇の影響を見極めながら、機動的な金融政策を実施する必要があるとされています。

今回の報告は、企業の採用担当者にとっても示唆に富む内容です。人材不足の課題に対応するため、労働市場の動向を注視し、変化する経済環境に適応する戦略を考える上で有益です。また、賃金上昇や物価動向が企業経営に及ぼす影響を見極め、持続的な成長に向けた適切な投資計画の策定が求められるでしょう。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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