2023年12月28日
労務・人事ニュース
2022年は非正規雇用の増加、その背後にある課題!
65歳以上の労働者増加 非正規雇用市場の新たな動向
この文書は、厚生労働省から発表があった「非正規雇用」の現状と課題に関する詳細なレポートです。文書では、正規雇用と非正規雇用の労働者数の推移、非正規雇用労働者の年齢階級別の推移、雇用形態別の推移、不本意な非正規雇用の状況、賃金カーブ、教育訓練の実施状況などが分析されています。
正規雇用労働者は、2015年以降8年連続で増加しています。非正規雇用労働者は、2010年以降増加傾向にあり、2020年以降は減少していましたが、2022年には再び増加しました。
非正規雇用労働者の年齢階級別の推移を見ると、65歳以上の割合が高まっています。これは、高齢者の労働市場への参加が増加していることを示しています。
雇用形態別にみると、パートやアルバイトの数が近年増加していることが分かります。これは、非正規雇用の多様化が進んでいることを示しています。
不本意非正規雇用の割合は、2022年平均で非正規雇用労働者全体の10.3%となっています。これは、正社員として働く機会がなく、非正規雇用で働いている人々の割合を指します。
賃金カーブの分析では、非正規雇用労働者は正規雇用労働者に比べて賃金が低いことが示されています。特に、短時間労働者や非正規雇用労働者の賃金が低いことが強調されています。
教育訓練の実施状況については、正社員と比べて非正規雇用労働者への計画的な教育訓練や入職時のガイダンスは約7割の実施率ですが、将来のキャリアアップのための教育訓練は4割を下回っています。これは、非正規雇用労働者への教育訓練の機会が限られていることを示しています。
全体的に、この文書は日本における非正規雇用の現状と、それに伴う複数の課題を詳細に分析しています。非正規雇用の増加、高齢者の労働市場参加の増加、賃金の低さ、教育訓練の不足など、多面的な問題が浮き彫りにされています。
非正規雇用の増加が企業に与える影響とは?
非正規雇用の現状は、日本の労働市場にいくつかの重要な影響を与えています。
まず、非正規雇用の増加は、労働市場の柔軟性を高めていますが、同時に労働者の安定性や福祉への影響をもたらしています。非正規雇用労働者は、通常、正規雇用労働者に比べて賃金が低く、社会保障や福利厚生の面で不利な立場にあります。これは、労働者の生活安定や将来への不安を高める可能性があります。
また、65歳以上の労働者が増加していることは、高齢化社会の進行とともに、高齢者の労働市場への参加が必要とされていることを示しています。しかし、これらの高齢労働者も多くが非正規雇用であり、彼らの健康や福祉の面での配慮が必要です。
雇用形態の多様化に伴い、企業はより柔軟な雇用戦略をとることができますが、一方で、労働者の仕事の質やキャリアパスに関する懸念が生じます。特に、不本意な非正規雇用は、労働者のモチベーションやキャリアの充実感を低下させる可能性があります。
賃金カーブの分析と教育訓練の実施状況の低さは、非正規雇用労働者が経済的にも職業的にも不利な状況に置かれていることを示しています。これは、社会全体として、非正規雇用労働者への支援と労働者のスキルアップの機会を増やす必要があることを強調しています。
これから先も高齢者の労働は増加をしていくことだと思います。企業規模を問わず、幅広い年齢層での職場環境づくりが今後大切になってくるのだと思います。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ