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2024年8月6日

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2023年上半期の世界経済見通し:主要先進国の底堅い景気と浮き彫りになる各国の課題

世界経済の潮流 2023年 I アメリカの回復・インドの発展

2023年前半の世界経済は、多くの先進国で底堅い景気を維持しながらも、各国ごとの回復ペースや課題が顕著でした。アメリカの経済は自律的に回復し、失業率も低水準を保っています。これに対し、ヨーロッパはエネルギー価格の下落の影響を受けながらも景気の停滞が続いています。特に、中国では不動産市場の低迷や半導体需要の減少が経済回復を抑制し、若年層の失業率が過去最高を記録しています。

2023年の世界経済の成長率は前年を下回る見通しであり、各地域のリスク要因が浮き彫りになっています。欧米では金融引締めに伴う金融市場の変動や景気全体への影響、中国では不動産市場の低迷による金融機関や地方政府への影響が懸念されています。また、米中貿易摩擦も依然として経済の不確実性を高める要因となっています。

インドは2023年に人口が世界最多となり、経済成長への期待が高まっています。インドの特徴的な経済成長は、若年人口の多さやサービス輸出の増加によるものですが、農業部門の低生産性や貿易収支の赤字が課題となっています。モディ政権下での経済改革や直接投資の増加も、インド経済の発展に寄与しています。

アメリカでは、景気回復が続く一方で、地方銀行の経営破綻が発生し、金融引締めの影響が見られます。銀行貸出の伸び悩みや不動産市場の停滞が経済活動に影響を与えています。これに対し、中国は経済活動の正常化が進むものの、半導体不況や不動産市場の低迷が経済回復を抑制しています。

欧州ではエネルギー価格の下落により物価上昇が一服していますが、労働コストの上昇が財・サービス価格にさらなる上昇圧力をかけています。これにより、欧州中銀は引締めを継続しています。一方で、アメリカでは住居費以外のサービス価格の上昇が続いており、金融面での引締め圧力が続いています。

消費については、アメリカでは名目雇用者報酬が物価指数を上回り、実質所得及び消費が緩やかに増加しています。これに対し、ユーロ圏及び英国では名目雇用者報酬と物価指数の上昇が拮抗し、実質所得及び消費は横ばいとなっています。アメリカでは貯蓄超過の取崩しが進み消費を下支えしている一方、ユーロ圏では貯蓄の積み増しが続いています。

設備投資に関しては、アメリカでは機械・機器投資がけん引し、知的財産生産物投資も上昇傾向にあります。これに対し、ユーロ圏では緩やかな上昇が見られますが、英国では設備投資全体が感染症拡大前の水準には届いていません。

インドの経済成長においては、人口動態と貿易構造が重要な要素となっています。インドは若年人口の比率が高く、今後の発展が期待されていますが、農業部門の低生産性や貿易収支の赤字が課題となっています。サービス輸出の増加やIT産業の発展が経済成長を支えています。

総じて、2023年の世界経済は主要先進国の景気が底堅く推移する一方で、各国ごとの課題が浮き彫りになっています。アメリカは金融引締めと経済回復のバランスを取り、中国は不動産市場の低迷と若年失業率の上昇に対応する必要があります。インドは人口増加とサービス産業の発展により、さらなる経済成長が期待されています。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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