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2024年11月22日

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2023年全国火災件数38,672件、前年比6.5%増加

令和5年(1~12月)における火災の状況(確定値)(総務省)

2023年の日本における火災件数とその影響についての統計が消防庁から公表されました。この報告によると、全国の火災件数は38,672件に達し、前年から2,358件、つまり6.5%の増加が見られました。火災の種類別では、建物火災が807件、林野火災が60件、車両火災が112件増加し、これらが全体的な火災件数の増加に大きく寄与しています。また、火災により命を落とした人数は1,503人で、前年と比較して51人の増加、率にして3.5%の増加となっています。負傷者数は5,766人で、前年よりも16人増えました。

特に注目すべきは住宅火災による死者数です。放火自殺を含まない純粋な住宅火災での死者は1,023人で、前年から51人の増加、増加率は5.2%でした。さらに、この中で65歳以上の高齢者が占める割合が74.5%にも達し、総数762人で前年より31人の増加が確認されています。このような高齢者の死者数の増加は、消防庁にとって今後の防火対策において非常に重要な課題と考えられるでしょう。

火災の発生原因についても詳細な分析が行われています。最も多い原因は「たばこ」で3,498件、続いて「たき火」が3,473件となっています。次いで「こんろ」が2,838件、「放火」が2,495件、「電気機器」が2,205件という結果でした。これらのうち「放火」と「放火の疑い」を合わせると合計4,111件となり、火災全体の10.6%を占めています。これらの原因別の統計からも分かるように、たばこやたき火、こんろなどの日常生活に密接した要因が火災の大きなリスクとなっている一方で、意図的な放火も大きな問題であることがわかります。

過去10年間の火災件数の推移を見てみると、火災件数は年によって変動がありましたが、近年は増加傾向にあります。2023年の火災件数は38,672件と、ここ10年で比較的多い件数を記録しています。また、同様に火災による死者数も増加傾向にあり、特に住宅火災における高齢者の死者数が際立っています。このため、火災予防においては高齢者の安全対策が今後の重要な課題となるでしょう。

住宅火災における出火原因別の分析もされています。最も多い原因は「たばこ」で、157人が亡くなっています。続いて「ストーブ」による死者が99人、「電灯電話などの配線」が51人、「こんろ」が47人、「たき火」が30人と続きます。放火による死者は267人、放火の疑いがあるケースで71人が犠牲となっています。その他にも、火入れや配線器具による火災があり、これらの要因が住宅火災の死者数を増加させている要因として指摘されています。

また、火災の発生が最も多い原因の一つである「たばこ」による火災は、日常的な習慣が引き起こす危険であると考えられます。火災予防においては喫煙場所や後処理の徹底が求められ、特に高齢者がいる家庭では火災感知器の設置や火災避難訓練が重要とされます。たき火もまた、アウトドアや農業作業で一般的に行われる行為ですが、風の影響や火が完全に消えていない状況での放置などが原因で火災に繋がりやすいとされています。

火災予防において、こうした日常生活に密接した原因に対応するための対策が不可欠です。自治体や消防当局は、火災予防に関する啓発活動を推進し、特に高齢者や子供がいる家庭に対する防火対策の指導を強化することが重要です。具体的には、火災感知器や消火器の設置、避難経路の確認、防災訓練の実施などが推奨されます。さらに、火災に対する理解を深めるための教育や地域コミュニティでの連携も火災予防の一環として効果的と考えられます。

加えて、火災の原因となる電気機器の取り扱いにも注意が求められています。特に冬季に多く使用される暖房器具や調理器具、電灯電話などの配線の劣化が火災のリスクを高めています。これらの機器については、定期的なメンテナンスや正しい使い方を周知徹底することが、火災予防の鍵となるでしょう。

火災のリスクを低減するためには、個人の意識とともに社会全体での取り組みが必要です。消防庁は、今回の火災状況に基づいて火災対策の強化を進める方針を示しており、自治体や地域コミュニティとの連携を図り、火災発生件数の減少を目指しています。火災による被害を最小限に抑えるためには、火災予防だけでなく、万が一の火災発生時に迅速に対応できる準備も重要です。各家庭や職場では消火器や非常口の確認、火災警報器の設置を推奨し、万一の事態に備えることが求められます。

最終的に、このような取り組みが全国的に進められることで、火災による被害の減少が期待されます。消防庁の発表したデータを参考に、火災予防に対する意識を高め、家庭内の危険箇所の確認や定期的な点検を行うことが、火災による被害の軽減につながるでしょう。

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ

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