2024年8月6日
労務・人事ニュース
2023年後半の世界経済:アメリカの成長と中国の回復
2023年 II 中国のバランスシート調整・世界的なサービス貿易の発展(内閣府)
令和6年2月に内閣府が発表した報告書によれば、2023年後半の世界経済の動向について詳細な分析が行われています。報告書では、アメリカや欧州、中国の経済動向に焦点を当てています。
まず、アメリカ経済についてですが、2023年7-9月期の実質GDPは前期比年率4.9%増と大幅に増加しました。10-12月期も3.3%増と増加傾向が続き、2023年は通年で2.5%のプラス成長を記録しました。個人消費と設備投資が堅調であり、特に実質GDPの約70%を占める個人消費は前期比年率で2.8%増加しました。住宅市場も回復し、2023年のアメリカ経済は予想以上の強さを見せています。
欧州経済については、消費者マインドの悪化や金融引締めの影響で弱含んでいます。ユーロ圏や英国では実質賃金の改善が続いているものの、消費に弱さが見られ、景気は安定していません。
中国経済については、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い経済活動の正常化が進んでいますが、不動産市場の低迷などから回復テンポは緩やかです。物価上昇率はゼロ近傍で推移し、製造業投資なども減速しています。それでも持ち直しの動きは維持されています。
報告書はまた、世界経済のリスク要因についても整理しています。特に、中国の不動産市場の低迷が世界経済に与える影響や、欧米の金融政策の変動が注目されています。
さらに、世界の貿易・投資構造の変化についても言及しています。財貿易は低迷しており、特に付加価値貿易の観点から見るとその背景には多くの課題が存在します。サービス貿易やデジタル貿易の発展も取り上げられ、特にデジタルサービス貿易規制の変化がサービス貿易規模に与える影響が指摘されています。
直接投資に関しては、経済安全保障の観点からの誘導と制約があり、今後の展望としては、投資の停滞が続く可能性がある一方で、新たな経済理論や政策によって変動が予想されます。
2023年後半の世界経済は、一部の地域において弱さが見られるものの、全体としては持ち直しの動きが継続しています。アメリカの景気回復、中国の持ち直しの動きが続く中、欧州の景気動向が引き続き注視されています。報告書では、これらの動向を踏まえた上で、今後の世界経済のリスクや機会についても詳しく分析しています。
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ