2024年9月26日
労務・人事ニュース
2024年には5万人突破、外国人向け有効求人数が拡大する背景を徹底解説
外国人雇用対策の在り方に関する検討会(第11回)会議資料 【資料5】外国人雇用の状況について(ハローワークの求職・就職・求人状況)(厚労省)
外国人雇用の現状について、ハローワークのデータをもとに詳細に分析します。2023年後半から、外国人求職者数は微増傾向にあり、2024年6月には11,736人に達しています。この数字は、外国人が日本での就労を希望する人々の増加を反映しています。特に身分に基づく在留資格を持つ求職者が多数を占めており、永住者や日本人の配偶者などが含まれています。
次に、外国人求職者の非自発的離職の傾向について述べます。2021年10月以降、外国人の非自発的離職率は2019年の同時期を下回り、2024年4月から6月の間もほぼ同水準を維持しています。特に、定住者の非自発的離職率は他の在留資格者に比べて高く、技術・人文知識・国際業務の在留資格者は相対的に低い水準にとどまっています。これにより、外国人労働者が日本で安定的に職を得るためには、在留資格による影響が大きいことが分かります。
また、外国人の就職率に関しては、2019年と比較して日本人の就職率は3~6ポイント低下していますが、外国人の就職率は徐々に回復傾向にあります。特に2021年8月以降、外国人の就職率は持ち直しつつあり、現在では15~20ポイント日本人よりも低い水準で推移しています。この差は、日本の労働市場における外国人の就労環境の課題を示しています。
外国人向けの求人の推移についても重要なデータがあります。2023年10月には、ハローワークにおける外国人向け新規求人数が2万人を突破し、現在も横ばい傾向にあります。これらの求人の9割以上が、永住者や日本人配偶者、定住者といった専門的・技術的分野以外の在留資格者向けのものです。また、2024年6月の時点では、外国人向け有効求人数が5万人を超えており、こちらも安定的に推移しています。
職業別に見ると、専門的・技術的分野の有効求人数は、2024年6月には2019年と比較して1.43倍に達し、着実に増加しています。一方、専門的・技術的分野以外の有効求人数も、2023年12月には2019年同月比で2.4倍に達しており、外国人労働者に対する需要は拡大しています。特に、建設・土木・電気工事、サービス業、製造業といった分野での求人が増加傾向にあります。
さらに、外国語を使用する職業の有効求人数も徐々に回復してきています。2023年1月には2019年同月比で6割まで回復し、その後も緩やかな増加を続けていますが、まだ2019年の水準には達していません。特に英語、中国語、韓国語を使用する職業の求人が多く、これらの言語に対応できる外国人労働者へのニーズが高まっています。
まとめると、日本における外国人の雇用環境は、徐々に改善されつつありますが、依然としていくつかの課題が残されています。特に、非自発的離職率の高さや、日本人と外国人の間での就職率の格差が明確に存在しており、企業側としてはこれらの問題に対応するための工夫が求められています。また、外国人向け求人の増加傾向を活用し、効果的な人材確保を目指すことが重要です。企業が多様な外国人労働者を受け入れるためには、外国人労働者のスキルや資格に応じた職務内容のマッチングを強化し、さらなるサポート体制を整えることが求められます。
これにより、日本企業は競争力を維持しつつ、グローバルな視点での人材活用を進めることができます。特に、建設業やサービス業、製造業といった分野では、外国人労働者の存在がますます重要になっています。これらの分野での求人をさらに拡大し、効果的な人材マッチングを行うことで、日本の労働市場全体における外国人の雇用率向上が期待されます。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ