労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 2024年の雇用市場は改善傾向!完全失業率2.5%で企業の人手不足が深刻化(月例経済報告 令和7年1月)

2025年2月13日

労務・人事ニュース

2024年の雇用市場は改善傾向!完全失業率2.5%で企業の人手不足が深刻化(月例経済報告 令和7年1月)

-景気は、一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している。-(令和7年1月)(内閣府)

令和7年1月の月例経済報告によると、日本の景気は一部で足踏みが見られるものの、緩やかな回復が続いている。先行きについては、雇用や所得環境の改善が進む中で、各種政策の効果も期待されており、緩やかな回復基調が継続すると見込まれる。しかし、欧米の高い金利水準の持続や中国の不動産市場の低迷が影響を及ぼし、海外経済の減速が国内景気を押し下げるリスクがある。また、物価上昇やアメリカの政策動向、中東地域の情勢、金融資本市場の変動にも十分注意が必要とされている。

個人消費は一部で停滞が見られるものの、持ち直しの動きが継続している。四半期別GDP速報によれば、民間最終消費支出は前期比0.7%増加した。また、商業動態統計によると、小売業販売額は前月比1.9%増と好調に推移している。しかし、消費者マインドの改善には足踏みが見られ、今後の消費動向には注意が必要だ。

設備投資に関しては、持ち直しの動きが継続している。法人企業統計季報のデータでは、2024年7-9月期の設備投資が前期比1.7%増加し、特に製造業で4.2%の伸びが見られた。日銀短観の調査によると、2024年度の設備投資計画は増加傾向にあり、今後の企業の投資意欲は堅調に推移すると見られる。先行指標である機械受注も持ち直しの兆しを示しており、今後の設備投資のさらなる拡大が期待される。

住宅建設については、おおむね横ばいで推移している。持家の着工は底堅いが、貸家や分譲住宅の着工は横ばいが続いている。首都圏のマンション販売も安定しており、大きな変動は見られない。先行きについても、当面は横ばいで推移すると見込まれる。

公共投資は底堅く推移しており、政府の補正予算の影響で一定の安定を維持している。令和6年度の補正予算では公共事業関係費として約2.4兆円が追加され、前年度比1.4%の増加となった。これにより、当面は安定した投資が継続される見通しだ。

輸出はおおむね横ばいの状態が続いている。地域別に見ると、アジア、アメリカ、EU向け輸出は大きな変化がなく推移している。一方、輸入はこのところ持ち直しの動きが見られる。アジアからの輸入が増加傾向にあり、アメリカやEUからの輸入は横ばいで推移している。貿易・サービス収支は依然として赤字の状態が続いており、今後の海外経済の動向が日本の貿易収支に与える影響は注視すべきポイントである。

生産活動については、全体的に横ばいが続いている。鉱工業生産指数は11月に前月比2.2%減少したが、12月には2.1%増、1月には1.3%増の見通しとなっている。特に輸送機械や生産用機械の生産は安定しているが、電子部品・デバイス関連の生産はやや弱含みの傾向が見られる。第3次産業の活動は持ち直しの動きを示しており、特にサービス業の回復が全体の生産を支える要因となっている。

企業収益は総じて改善しているものの、そのテンポは緩やかになっている。法人企業統計季報によると、2024年7-9月期の経常利益は前年比3.3%減、前期比10.6%減となった。製造業の利益が前年比15.1%減少したのに対し、非製造業は4.6%の増加を記録している。企業の業況判断は改善傾向にあり、日銀短観の調査でも企業の業況は上向いていることが確認されている。倒産件数はおおむね横ばいとなっており、企業の経営環境は一定の安定を保っている。

雇用情勢は改善の動きを見せている。完全失業率は2.5%で横ばいとなっており、就業率は緩やかに上昇している。企業の人手不足感は依然として高い水準であり、特に非製造業では人手不足が顕著となっている。賃金については、定期給与や現金給与総額が増加しており、実質総雇用者所得も持ち直しつつある。今後も雇用環境の改善が続くことが期待されるが、景気の不透明感が雇用市場に与える影響には注意が必要だ。

国内企業物価は緩やかに上昇しており、消費者物価も上昇を続けている。企業向けサービス価格は上昇傾向にあり、消費者物価の基調である「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」では前年比2.2%の上昇が見られた。今後も物価は上昇を続けると見込まれるため、企業のコスト増加や消費者の購買力への影響が懸念される。

株価は変動を見せており、日経平均株価は一時40,200円台まで上昇したものの、38,400円台まで下落し、その後39,000円台まで戻している。為替市場では円安傾向が続いており、対ドルでは156円台から158円台まで推移した後、155円台へと若干の円高方向に動いた。企業金融に関しては、資金繰りの状況に大きな変化はなく、金融機関の貸出は前年比3.4%の増加となった。

世界経済の動向を見ても、アメリカでは景気の拡大が続いており、GDP成長率は年率3.1%増を記録した。欧州ではユーロ圏の景気が一部で足踏み状態にあるものの、持ち直しの動きが見られる。中国では政策の効果により供給が増加しているが、全体としては足踏み状態が続いている。

このように、日本経済は回復基調を維持しながらも、海外経済の不確実性や物価上昇の影響を受けやすい状況にある。今後は政策の効果を見極めながら、景気の持続的な回復を図ることが求められる。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ