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2025年1月24日

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2024年北陸経済の全貌 震災復興が生む新たな需要と厳しい消費環境(令和6年12月)

景気ウォッチャー調査(令和6年12月調査)― 北陸(現状)―(内閣府)

北陸地域の経済状況に関する最新調査によると、多くの業種で明暗が分かれる結果となりました。特に観光業や小売業、住宅関連事業などで顕著な傾向が見られます。2023年の能登半島地震からおよそ1年が経過し、復興需要が一部の分野を後押ししていますが、全体としては景気の回復が鈍い状況です。消費者の動向は、物価高や所得水準の停滞の影響を受けて依然厳しく、企業の採用活動にも波及しています。

観光業界では、国内旅行支援策が終了した影響が大きく、県外からの観光客の減少が報告されています。一部の観光型旅館では、年末年始の個人客予約が堅調ながら、忘年会需要の低迷により売上が前年同期比で15%減少しています。また、都市型ホテルでは客室単価の上昇により売上は確保されているものの、レジャー客やツアー団体客の減少により稼働率は横ばいとのことです。さらに、周辺地域の温泉地やテーマパークも同様の傾向を示しており、観光全体が不振に陥っています。

一方で、住宅関連業界では、能登地区を中心に震災後の需要が顕著に増加しています。新築住宅への問い合わせや受注が好調である一方で、他の地域では受注の安定感を欠いている状況です。また、リフォームの受注は計画を上回る勢いを見せており、震災後の生活再建を背景にした需要の高まりが伺えます。ただし、住宅展示会への来場者数は伸び悩んでおり、顧客の購買意欲には依然として課題が残ります。

小売業においては、業態によって売上の変動が大きく異なっています。スナックなどの飲食業では、高価格帯の商品の販売が堅調で、売上は前年並みを維持していますが、スーパーやコンビニでは節約志向の強まりにより、客単価や来客数の減少が続いています。特に食料品や生活必需品では値上がりの影響が顕著で、利益率の低下に直面しています。一部の百貨店では、ラグジュアリーブランドや冬季雑貨が好調な一方で、固定客向けの販促施策の中止が響き、前年実績を下回る見通しです。

自動車業界では、新車価格の値上がりに伴い販売台数が減少傾向にあります。中古車市場でも在庫不足が深刻で、販売の伸びが限定的となっています。また、生活物資の価格上昇が消費マインドを冷やしており、家電や衣料品といった耐久財や非必需品の販売も伸び悩んでいます。

労働市場においては、慢性的な人手不足が続いており、有効求人倍率は2倍を超えています。特に建設業や土木業では復旧需要が追い風となり、雇用環境が活発化しているものの、その他の中小企業では人材確保が困難な状況です。一部の職業紹介機関では、継続的な求人募集にもかかわらず、紹介成立が難しいという課題が挙げられています。円安や大手企業の業績好調により、一部の企業では設備投資や採用活動が活発化していますが、その恩恵を十分に享受できていない業種も多く見られます。

総じて、北陸地域の景気は一部の業種では明るい兆しが見られるものの、全体としては厳しい状況が続いています。物価高や観光需要の減少、個人消費の低迷などが課題となっており、地域経済の再活性化に向けた取り組みが求められています。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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