労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 2024年問題に挑む物流効率化法、トラックドライバーの年間労働時間を125時間削減

2024年12月7日

労務・人事ニュース

2024年問題に挑む物流効率化法、トラックドライバーの年間労働時間を125時間削減

「交通政策審議会 交通体系分科会 物流部会・産業構造審議会 商務流通情報分科会 流通小委員会・ 食料・農業・農村政策審議会 食料産業部会 物流小委員会 合同会議」の取りまとめを公表(国交省)

物流は国民生活や経済活動を支える社会インフラとして極めて重要な役割を担っています。しかしながら、2024年にはトラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用されることで、人手不足や物流の停滞といった問題が一層深刻化することが懸念されています。この「2024年問題」を背景に、物流の効率化や商慣行の見直しを進め、物流事業者や荷主、さらには消費者までが協力することで持続可能な物流の実現を目指す取り組みが進められています。その中核をなすのが2024年に施行される物流改正法および新物流効率化法(新物効法)です。

新物効法では、国、地方公共団体、物流事業者、荷主企業など多様な関係者が連携して、トラックドライバーの運送・荷役時間の効率化を目指す具体的な措置が求められています。この法律は、トラック運送サービスの持続可能な提供を確保するために以下のような目標を掲げています。例えば、2024年度までにトラックの積載効率を44%に増加させるとともに、荷待ちや荷役にかかる時間を削減し、ドライバー1人当たり年間125時間を短縮することが目指されています。

効率化のための施策として、国や地方公共団体はトラックドライバーに必要な支援を提供し、物流現場のデジタル化やモーダルシフト(輸送モードの転換)を推進しています。また、物流における多重下請け構造の是正や物流コストの適正な転嫁を通じて、事業者間の公正な取引を促進する取り組みも進められています。これにより、物流全体の効率性が向上し、持続可能な物流基盤の構築が期待されています。

また、荷主や連鎖化事業者(フランチャイズチェーン本部など)にも、トラック運行の効率化に向けた具体的な取り組みが求められます。例えば、トラックの予約受付システムを導入し、荷待ち時間の短縮を図ることや、共同配送を活用して積載効率を向上させることなどが含まれています。このような措置を通じて、事業者間の連携を強化し、物流全体の効率を最大化することが重要とされています。

さらに、国は消費者の理解を深めるために、再配達の削減や返品削減に向けた広報活動を進めています。「送料無料」表示の見直しや、多様な受取方法の普及促進もその一環です。これらの取り組みにより、トラックドライバーへの負担を軽減し、労働環境の改善を図ることを目指しています。

物流の「2024年問題」に対処するためには、政府、企業、消費者が一体となって協力することが不可欠です。本法の施行により、物流業界はさらなる効率化と持続可能性の実現に向けた新たなステージへ進むことが期待されています。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ