2024年9月9日
労務・人事ニュース
2024年女性管理職割合が10.9%に到達、初の1割超えで企業の意識が変化か
帝国データバンク「女性登用に対する企業の意識調査(2024年)」(2024年8月23日)
2024年8月23日、少子高齢化が進行する中、労働力不足の課題がますます深刻化することが懸念されています。こうした状況に対処するため、女性の活躍推進が強く求められています。これに関連し、帝国データバンクは、企業における女性登用に対する意識調査を実施しました。この調査は、2024年7月に行われたTDB景気動向調査と併せて実施され、女性管理職や女性役員の割合に関する企業の見解を明らかにしています。
調査によると、全国の企業における女性管理職の割合は平均で10.9%に達し、調査開始以来初めて10%台に乗りました。この結果は、政府が目標とする「女性管理職30%」にはまだ遠いものの、一定の進展を示しています。特に、女性管理職の割合が30%を超えている企業は11.4%に達し、これも初めて10%を超えたことが報告されました。この上昇幅は過去最大であり、企業の意識が変わりつつあることがうかがえます。
さらに、女性役員の割合も平均13.5%と過去最高を記録しましたが、それでも「役員が全員男性」という企業が依然として50%を超えている現状も明らかになりました。これは、依然として企業の上層部において男女の不均衡が存在していることを示しています。
今後、32.7%の企業が「女性管理職の割合が増加する」と予測しており、特に上場企業や規模の大きい企業では、その割合が高くなっています。これにより、規模が大きい企業ほど、女性の昇進に対する取り組みが進んでいることが伺えます。
また、女性活躍推進策として「公平な評価」を挙げる企業が6割を超えており、これが最も多くの企業で行われている施策であることが分かりました。しかし、中小企業では、女性活躍に向けた対策が停滞しているとされており、特に「成果で評価する」という項目においては、他の規模の企業と比べて遅れが見られることが指摘されています。
要因や課題としては、「家庭と仕事の両立のしづらさ」が唯一5割を超える回答率を示しており、多くの企業がこれを重要な課題と認識しています。このように、女性の登用に向けた環境整備が進む一方で、特に中小企業においては、依然として多くの課題が残されています。
本調査の結果は、政府が掲げる目標に向けた進展を示すとともに、まだ多くの改善余地があることを浮き彫りにしています。今後、女性が管理職や役員として活躍できる環境の整備が一層重要となり、企業はこの課題に対してどのように取り組むかが問われる時期に来ています。調査の詳細なデータは、景気動向オンラインに掲載されており、より詳しい分析を行うことができます。
この調査を通じて、企業が女性の活躍をどのように捉え、実際に取り組んでいるのかが明らかになり、今後の指針として多くの示唆を与える結果となりました。
⇒ 詳しくは帝国データバンクのWEBサイトへ