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2024年5月22日

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2024年度大学発ベンチャー実態調査:過去最高の4,288社に達し私立大学が大幅躍進

令和5年度大学発ベンチャー実態等調査の結果を取りまとめました(速報)(経産省)

2024年5月15日、経済産業省は2024年度の「大学発ベンチャー実態調査」の速報を発表しました。2023年10月時点で確認された大学発ベンチャーの数は4,288社で、昨年度の3,782社から506社増加し、過去最高を記録しました。特に私立大学のベンチャー数が大幅に増加していることが注目されています。

大学発ベンチャーは、大学で生まれた革新的な研究成果を基に、社会に新たな価値を創出する企業です。この調査は、大学発ベンチャーの設立状況や事業環境を把握し、その成長要因を分析することで、今後の政策展開に役立てることを目的としています。

2023年度の調査結果では、大学発ベンチャーの数が4,288社に達しました。昨年度の3,782社から506社増加し、過去最高を更新しました。この増加は、大学の研究成果を基にした新規企業の設立や、技術移転を受けた企業の増加によるものです。調査では、以下の基準を満たす企業を「大学発ベンチャー」と定義しました。研究成果ベンチャーは、大学の研究成果を基にした新技術やビジネスを事業化するために設立された企業です。

共同研究ベンチャーは、設立5年以内に大学と共同研究を行った企業です。技術移転ベンチャーは、設立5年以内に大学から技術移転を受けた企業です。学生ベンチャーは、現役学生が関与する企業です。教職員等ベンチャーは、大学の教職員や研究者が関与する企業です。関連ベンチャーは、大学から出資を受けるなど、大学と深い関連を持つ企業です。

大学別のベンチャー数では、東京大学が最も多く、次いで大阪大学や慶應義塾大学、東京理科大学、立命館大学などの私立大学が躍進しています。これらの大学は、研究成果を社会に活かす取り組みを強化しており、多くの新規ベンチャーを生み出しています。具体的には、東京大学は420社で前年から50社増加しました。慶應義塾大学は291社で前年から55社増加しました。京都大学は273社で前年から9社増加しました。大阪大学は252社で前年から61社増加しました。筑波大学は236社で前年から19社増加しました。東北大学は199社で前年から20社増加しました。東京理科大学は191社で前年から40社増加しました。早稲田大学は145社で前年から17社増加しました。名古屋大学は143社で前年から6社増加しました。立命館大学は135社で前年から25社増加しました。

大学発ベンチャーの経営者(CEO)の多くは、アカデミア出身者であることがわかりました。大学や公的研究機関の教職員や研究者が経営を担うケースが多く見られます。これは、大学の研究成果を事業化するための専門知識や技術が求められているためです。大学発ベンチャーにおける博士号取得者の割合は高く、特に技術移転ベンチャーや教職員等ベンチャーでその傾向が顕著です。大学発ベンチャー全体でも、一般企業の研究職と比べて博士号取得者の割合が高く、専門性の高い人材が積極的に活用されています。

この調査は、大学発ベンチャーの現状を把握し、今後の政策展開に役立てるための貴重なデータを提供しています。大学の研究成果が新たなビジネスを生み出し、経済や社会に大きな影響を与えることが期待されます。具体的な数字が示すように、大学発ベンチャーは今後もさらに成長し続けるでしょう。これにより、新しい技術やビジネスモデルが次々と生まれ、社会全体に広がっていくことが期待されます。

大学発ベンチャーの成長を支えるためには、政府や大学、企業が連携し、研究成果の事業化を推進するための環境整備が必要です。これにより、より多くの革新的な技術やサービスが生まれ、経済の発展や社会の課題解決に貢献することができるでしょう。今後も大学発ベンチャーの動向に注目し、その成長を支えるための施策を積極的に展開していくことが求められます。

⇒ 詳しくは経済産業省のWEBサイトへ