2024年11月9日
労務・人事ニュース
2024年度設備投資計画、17業種中14業種で増加!機械装置が60.2%を占める
第131回中小製造業設備投資動向調査 2024年度修正計画(日本公庫)
2024年度の中小製造業における設備投資動向調査によると、国内設備投資額は前年と比べて8.1%の増加を見せており、これが2023年度実績と比較した際の重要なトレンドです。この調査は日本政策金融公庫が実施しており、全国の従業員20人以上300人未満の中小製造業を対象としています。特に、今回の9月調査では、4月に実施された調査の回答先を再度対象とする形式で行われました。
2024年度の国内設備投資の修正計画は、特に上半期で4.2%、下半期で11.7%の増加を記録しており、全体としては大幅なプラス成長を示しています。この増加は主に「機械・装置」や「建物・構築物」における投資が牽引しており、特に機械・装置への投資は17.8%増という顕著な伸びを見せました。一方で、「船舶・車両・運搬具」や「工具・器具・備品」などのカテゴリーでは17.0%の減少を記録し、分野によっては異なる動向も見られます。
また、業種別にみると、17業種中14業種で投資が増加しています。特に「木材・木製品」や「輸送用機器」では大幅な投資増加が見られ、具体的には木材・木製品が39.2%、輸送用機器が31.1%増加しました。このように、特定の業種では前年を大きく上回る投資が行われている一方で、「鉄鋼」や「非鉄金属」といった業種では減少傾向が続いており、各業種ごとに異なる投資動向が浮き彫りとなっています。
設備投資の内容別に見ても、2023年度実績に対して「機械・装置」や「建物・構築物」への投資割合が増加しています。特に機械・装置への投資は全体の60.2%を占め、前年度の55.3%からさらに拡大しています。このような結果から、中小製造業が生産性向上や業務効率化のために積極的な機械設備の導入を進めていることが伺えます。これに対して、土地や車両・備品などへの投資割合は減少しており、より長期的な視点での生産設備への投資が優先されていると言えるでしょう。
設備投資の目的別構成比を見た場合、最も大きな割合を占めるのは「更新、維持・補修」であり、全体の33.9%を占めています。これに次ぐのが「能力拡充」の28.5%、「新製品の生産、新規事業の進出、研究開発」が16.8%となっており、新たな製品や事業への投資が増加傾向にあることがわかります。一方で、省力化や合理化、省エネルギーや公害防止といった目的への投資は若干の減少が見られ、2023年度実績比でそれぞれ微減傾向にあります。
さらに、過去数年のトレンドを見てみると、設備投資額全体の増減は景気の動向と密接に関連しており、景気のピークや谷間に応じて投資が大きく変動していることがわかります。例えば、2020年度にはCOVID-19の影響もあり、設備投資が一時的に大幅な減少を見せましたが、その後の回復基調により2023年度までには再び増加に転じています。特に2022年度からの投資増加は、業界全体の回復傾向を反映しており、今後もこの流れが継続することが期待されます。
全体として、2024年度の中小製造業における設備投資は、前年を上回る勢いで進んでおり、特に機械・装置の導入を中心にさらなる生産性向上や業務効率化が図られています。業種別では投資増加が顕著な分野がある一方で、減少を続ける業種もあり、各業界の設備投資方針に多様性が見られます。このような中で、企業が持続的な成長を目指してどの分野に投資を行うかが、今後の業績に大きな影響を与えることは間違いありません。
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