2025年1月1日
労務・人事ニュース
2024年建設工事受注高が前年比31.9%増!成長の背景とは?
国土交通月例経済(令和6年12月号)(国交省)
令和6年12月発行の「国土交通月例経済(令和6年12月号)」は、日本国内の建設や交通、観光など多岐にわたる経済指標の現状を明らかにする内容となっています。この報告書によると、建設分野では受注高や住宅着工数に変動が見られ、交通分野では人や貨物の輸送動向が引き続き注目される一方、観光分野では訪日外国人旅行客の増加が顕著となっています。以下に、これらの詳細について説明します。
建設分野では、令和6年10月の建設工事受注高が前年比31.9%増加し、7兆800億円に達しました。公共機関からの受注高は1兆8,657億円、民間等からの受注高は5兆2,144億円と、それぞれ大幅な伸びを見せています。これに伴い、下請受注高も3兆7,363億円と前年比17.9%増加しました。また、特に土木工事の元請受注高が1兆7,243億円で前年比26.1%増、建築工事・建築設備工事の元請受注高は4兆4,355億円で同31.8%増と、建設分野全体の活況が目立ちます。地域別では、東京圏が3兆1,098億円で前年比30.8%増、名古屋圏が4,550億円で同27.1%増、大阪圏が1兆623億円で同13.0%増、その他地域が2兆4,529億円で同45.2%増と、特に地方圏の成長が顕著です。
住宅着工については、2024年10月の新設住宅着工戸数が69,669戸で前年比2.9%減となりました。内訳としては、持家が19,705戸で前年比9.0%増、貸家が29,541戸で同6.7%減、給与住宅が846戸で同93.2%増、分譲住宅が19,577戸で同9.3%減と、タイプによる増減が明確に分かれています。地域別では、東京圏が25,586戸で前年比0.9%減、名古屋圏が6,490戸で同1.1%増、大阪圏が9,610戸で同14.2%減、その他地域が27,983戸で同1.2%減でした。
交通分野では、バスやタクシー、鉄道、フェリー、航空の各輸送指標が報告されました。例えば、2024年9月のバス輸送人員が前年比0.2%減の3億2,207万人、タクシー輸送人員が前年比9.3%増の8,648万人でした。鉄道では、JRの輸送人員が前年比1.8%増の7億2,072万人、民鉄の輸送人員が同2.9%増の11億9,235万人でした。フェリー輸送では、10月の長距離フェリーの輸送人員が前年比17.1%増の24万人、自動車航送台数が同13.4%増の16万台と、回復基調が続いています。
航空分野では、2024年10月の国内線輸送人員が前年比3.7%増の948万人で、主要路線が421万人、その他の路線が527万人でした。国際線では、輸送人員が前年比11.7%増の131万人で、訪日外国人旅行者の増加が反映されています。
観光分野では、2024年11月の訪日外客数が前年比30.6%増の319万人に達し、特に中国からの旅行者が前年比111.5%増と大きく増加しました。また、国内旅行消費も活発で、2024年7~9月期には日本人国内旅行消費額が7兆3,360億円で前年比14.7%増となり、宿泊旅行が6兆250億円、日帰り旅行が1兆3,110億円を占めました。
貨物輸送も堅調で、自動車輸送量は前年比7.2%増の2億2,605万トン、宅配便取扱個数が同2.2%増の3億7,818万個と報告されています。内航海運では貨物船が1,646万トンで前年比0.6%減となった一方で、外航海運では輸入が79万TEUで前年比2.7%増、輸出が73万TEUで同4.4%減でした。航空貨物輸送では、国内線が前年比15.1%増の5.3万トン、国際線が同12.4%増の14.2万トンで、輸出入総額も増加しています。
このようなデータは、建設や交通、観光、貨物輸送の現状を把握し、将来の経済政策やビジネス戦略を策定するうえで重要な指標となります。国内外の旅行需要の回復が進む中で、関連する産業全体がこれに対応して成長を遂げることが期待されます。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ