2024年5月15日
労務・人事ニュース
2024年第1四半期景気定点観測 経済同友会が明らかにした日本経済の微増成長、回答者605名の声
2024年3月(第148回)景気定点観測アンケート調査結果(経済同友会)
公益社団法人経済同友会が実施した2024年3月の景気定点観測アンケート調査の結果が公表されました。この調査は、全国の経済同友会の代表幹事や経営トップマネジメントを対象に、現在の経済状況と将来の見通しについて聞くもので、今年の第1四半期に実施されたものです。
調査結果によると、日本経済はわずかながらも成長の兆しを見せています。具体的には、「拡大している」と回答した割合が前回の2.1%から4.3%へと増加し、「緩やかに拡大している」との回答も66.2%から67.6%に上昇しました。一方で、「緩やかに後退している」との声は4.9%と前回調査よりも微増し、経済の完全な回復には至っていないことが示されています。
2024年度前半の経済見通しに関しては、より多くの関係者がポジティブな見解を持っていることが明らかになりました。特に個人消費の増加や輸出の伸びが期待されており、これが経済活動全体の活性化に寄与すると考えられています。
企業の業績に関する部分では、売上高の見込みが前期比で低下しており、特に製造業での厳しい状況が浮き彫りになりました。しかし、予想される数ヶ月後の売上高では回復が見込まれており、企業活動が再び活発になる可能性が示唆されています。
設備投資については、全産業を通じて増加傾向が見られ、「増額」と回答した企業が前回よりも増えています。これには、製造業から非製造業にかけての幅広い業種での前向きな動きが反映されていると考えられます。
雇用状況に関しては、依然として人手不足が顕著な課題として挙がっており、特に専門技能を要する職種での不足が深刻です。しかし、適正な雇用水準を維持している企業も一定数存在しており、全体としての雇用市場のバランスが求められている状況です。
最後に、賃上げに関しては、多くの企業が実施予定であることが確認され、特にベースアップや定期昇給の実施が計画されています。これにより、労働市場全体の賃金水準が向上し、消費者の購買力が増すことが期待されています。
以上の調査結果から、日本経済はゆっくりとですが確実に回復している様子が窺えます。ただし、いくつかの課題は残されており、これらを解決することが、今後のさらなる成長への鍵となるでしょう。
⇒ 「2024年3月(第148回)景気定点観測アンケート調査結果」はこちら
⇒ 詳しくは公益社団法人 経済同友会のWEBサイトへ