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2024年8月26日

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2024年(令和6年度)福井県最低賃金、過去最大の53円引き上げ、984円に改定 5.7%の大幅引き上げで地域間格差是正を目指す

福井県最低賃金 時間額931円を53円引き上げ984円へ答申(福井労働局)

福井県における最低賃金の改正について、2024年に行われた詳細な審議内容とその背景について解説します。この審議は、福井労働局からの諮問に基づき、福井地方最低賃金審議会が専門部会を設置し、公労使代表委員が参加して行われました。議論の中心には、「労働者の生計費」「賃金」「通常の事業の賃金支払能力」という三つの主要な要素がありましたが、特に地域間格差の是正にも焦点が当てられました。

まず、福井県の経済状況を概観すると、全国的な経済政策である「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 2024 改訂版」や「経済財政運営と改革の基本方針 2024」といった政府方針が取り入れられ、中央最低賃金審議会の指針や各種資料も参考にされました。しかしながら、労使間の意見の隔たりは大きく、最終的な改正最低賃金額は公益委員の調整により決定されました。

今回の最低賃金改正において、福井県では時間額984円に引き上げられました。この改定は、前年度の931円から53円、つまり5.7%の上昇となります。この改定額は、中央最低賃金審議会が示した目安額Bランクの50円を上回るものであり、地域の経済・雇用の実態を考慮した結果です。特に、福井県では中小企業や小規模事業者が多く存在し、これらの企業が賃上げを継続的に行える環境の整備が重要とされています。

福井県における賃金上昇の状況も重要な要素でした。2024年の春季賃上げに関する統計によれば、全体の賃金上昇率は5.10%であり、これは前年の3.61%を大きく上回るものでした。中小企業においても賃金の上昇が見られ、100人未満規模の企業では3.48%の上昇が確認されています。この賃上げは、企業が人材確保と労働者のモチベーション向上を目的とした「防衛的賃上げ」であるとされています。

一方で、通常の事業の賃金支払能力に関しては、中小企業・小規模事業者にとって依然として厳しい状況が続いています。企業物価指数の上昇や、コスト上昇に対する価格転嫁の難しさが、中小企業の経営を圧迫している現状が報告されています。特に、2023年12月期の特別調査によると、約8割の事業所がコスト上昇に対応するために価格転嫁を行っていますが、その転嫁率は30.7%にとどまっています。

さらに、福井県の消費者物価指数も重要な考慮事項となりました。2023年10月から2024年5月までの間に、福井市の消費者物価指数は対前年同期比で2.98%上昇しており、特に生活必需品の価格上昇が顕著です。こうした背景から、最低賃金の引き上げが労使共通の認識となり、消費者物価の上昇を一定程度上回る引き上げが必要とされました。

地域間格差の是正も重要な議題となりました。全国的に見ても、最低賃金が低い地域では労働力の流出が進んでおり、福井県においても同様の傾向が見られます。政府方針に基づき、地域間の最低賃金差を是正することが福井地方最低賃金審議会でも議論され、地域の持続可能な経済成長のためには、若者や外国人材の確保が重要であると認識されています。

最終的に、福井県の最低賃金改正額は、これらの要素を総合的に勘案して決定されました。この改正により、福井県内の労働者の生活の安定が図られるとともに、企業経営における賃金支払能力とのバランスが取れた形での最低賃金が設定されました。

⇒ 詳しくは福井労働局のWEBサイトへ

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