2024年11月28日
労務・人事ニュース
2024年10月の交通事故、前年比6.6%減少も高齢者の死者数は増加
交通事故統計月報(令和6年10月末)(警察庁)
2024年10月末時点の交通事故統計が発表されました。令和6年10月の交通事故件数は速報値で26,021件であり、前年同月比で1,840件減少(6.6%減)しました。また、負傷者数も30,636人となり、前年同月比で2,145人の減少(6.5%減)が見られました。一方、死亡事故件数は249件で、前年同月比で3件増加(1.2%増)しました。死者数は252人と、前年同月から変動はありませんでした。これにより、年間累計の死者数は2,128人となり、前年同期比で4人増加(0.2%増)しています。
死者数の年齢層別統計によると、65歳以上の高齢者は全体の56.1%を占めており、昨年同月比で4.7%増加しました。特に80~84歳と85歳以上の年齢層で増加が顕著であり、それぞれ24人(10.0%増)と4人(1.3%増)の増加が報告されています。これに対し、15~24歳の若年層では減少傾向が見られ、特に20~24歳の死者数は前年同期比で21人減少(19.1%減)しています。
また、シートベルト着用状況の分析では、死亡事故における非着用者の割合が35.1%に達し、前年の39.0%から減少しました。一方で、シートベルトを着用していた場合でも死亡事故が発生するケースが増加傾向にあり、前年同月比で9.0%増加しています。特に、自動車乗車中の死者数が4.6%増加しており、交通安全対策のさらなる強化が求められています。
二輪車関連では、自動二輪車乗車中の死者数が308人で、前年同期比で16人減少(4.9%減)しましたが、高齢者層での増加が目立っています。特に65~69歳の高齢者で9人増加(56.3%増)、80~84歳で17人増加(54.8%増)しており、二輪車事故における高齢者のリスクが浮き彫りとなりました。
地域別の交通事故発生状況では、都道府県ごとに異なる傾向が見られます。一部の都市部では事故件数の大幅な減少が報告されている一方、地方では高齢者の事故率が依然として高い水準にあります。昼夜別の死亡事故発生状況では、夜間の事故が全体の60%以上を占めており、特に高齢者の歩行中の事故が顕著でした。
これらのデータは、交通安全対策の重要性を改めて浮き彫りにしています。警察庁では、地域ごとの特性に応じた取り組みを進めるとともに、二輪車利用者や高齢者への啓発活動を強化する方針を示しています。
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