2025年1月11日
労務・人事ニュース
2024年10月分結果確報最新:全体給与292,430円、前年比2.2%増!雇用市場の動向を徹底解説
毎月勤労統計調査 令和6年10月分結果確報(厚労省)
2024年10月に公表された最新の「毎月勤労統計調査」によると、全国の労働市場における賃金や労働時間に関する興味深い動向が明らかになりました。この調査は、事業所規模が5人以上の32,638箇所を対象に行われ、そのうち25,122箇所が回答し、77.0%の回収率を記録しました。以下、調査結果の要点を詳しく説明します。
現金給与総額は平均292,430円と、前年比2.2%の増加を記録しました。内訳を見ると、一般労働者の給与は374,161円で前年比2.5%増、パートタイム労働者は109,925円で3.4%増となり、特にパートタイム労働者の増加が際立っています。また、一般労働者の所定内給与は335,724円(2.7%増)で、パートタイム労働者の時間当たり給与は1,357円(4.3%増)と上昇しました。これは、労働者の雇用形態に関わらず、全体的な賃金水準が改善していることを示しています。
一方で、所定外労働時間(いわゆる残業時間)は10.4時間で前年比2.8%減少しました。この減少は、働き方改革の影響や労働環境の改善を反映している可能性があります。また、総実労働時間は平均140.0時間と、前年から0.4%の減少が見られました。パートタイム労働者の労働時間も微減しており、雇用形態の多様化や柔軟な働き方への需要が高まっていることが推察されます。
業種別のデータでは、電気・ガス業が平均給与484,982円(前年比4.3%増)と最も高く、情報通信業や金融業も高水準を維持しています。一方、飲食サービス業の平均給与は133,930円であるものの、前年比3.1%増と改善が見られます。また、学術研究や医療・福祉分野では、全体的な賃金水準が安定的に上昇していることが確認されました。
特に注目すべきは、パートタイム労働者の増加率が3.4%に達していることです。これにより、パートタイム労働者の比率は31.00%(前年比0.45ポイント増)となりました。この増加は、労働市場の需要が柔軟な雇用形態にシフトしていることを示唆しています。同時に、企業がパートタイム労働者の時間当たり賃金を引き上げ、労働条件を改善している点も評価に値します。
調査対象産業の中で最も大きな賃金上昇率を記録したのは、鉱業・採石業で、平均給与333,445円と前年比8.7%増となりました。一方で、飲食サービス業では、賃金水準が低いものの前年比43.5%という特別支給額の大幅増加が見られ、これは業界の景気回復や人材確保のための施策を反映していると考えられます。
また、雇用状況に関するデータも注目に値します。2024年10月時点での常用雇用者数は51,120千人で、前年比1.0%の増加となりました。このうち、一般労働者は35,273千人(前年比3.1%増)、パートタイム労働者は15,846千人(前年比3.6%減)となっており、フルタイム労働へのシフトが進んでいることが伺えます。
総じて、今回の統計調査は、日本の労働市場が多様化し、安定した成長を遂げていることを示しています。特に、給与増加や労働時間削減の傾向は、企業が働き手にとってより良い環境を整備している証拠と言えるでしょう。これらのデータを基に、企業の採用戦略や労働条件の改善をさらに進めることが求められます。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ