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2024年12月10日

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2024年10月福岡県の雇用情勢 有効求人倍率1.20倍で改善傾向も、地域格差が顕著

雇用情勢(令和6年 10 月分)について(福岡労働局)

2024年10月の雇用情勢に関する最新の報告では、全国的に雇用環境が改善傾向にある一方で、求人の動きに若干の鈍化が見られるとされています。これは物価の上昇や経済の不確実性が雇用市場に影響を与えているためで、特に福岡県を中心にしたデータから詳細な傾向が浮き彫りになっています。

有効求人倍率(季節調整値)は1.20倍で、前月より0.02ポイント上昇しました。この数値は求人側が求職者を上回っていることを示していますが、雇用情勢が完全に安定しているとは言い切れません。新規求人倍率も前月の2.08倍から2.24倍へと改善しましたが、具体的な業種によっては求人の動きが分かれる結果となっています。

産業別の動向を見ると、学術研究や技術サービス業が14か月連続で増加し、卸売業や小売業も3か月連続でプラスの成長を示しました。また、情報通信業や建設業、医療・福祉、不動産業などが好調を維持しています。一方で、製造業は12か月連続で減少し、サービス業や運輸業、宿泊・飲食業、金融業なども減少傾向が続いています。この動きは、消費者需要の変化や製造業のコスト増加が影響している可能性があります。

また、企業規模別のデータでは、30~99人および500~999人規模の企業での求人が減少しましたが、それ以外の規模では増加が見られました。特に、従業員数4人以下や1,000人以上の大企業での求人増加が顕著でした。このような動きは、労働市場全体の変化や産業ごとのニーズの違いを反映しています。

求職者の動向も注目されます。新規求職者数は前年同月比で0.8%増加しましたが、男性求職者が減少した一方で、女性求職者は増加傾向にあります。離職者の中でも自己都合退職者は減少しましたが、事業主都合による離職者は4.7%増加しました。これらのデータから、労働者のキャリア選択や企業の雇用政策が大きく影響を及ぼしていることが分かります。

地域別の有効求人倍率では、福岡地域が1.19倍、筑豊地域が1.32倍、筑後地域が1.36倍と、地域ごとの雇用情勢にもばらつきが見られました。特に北九州地域では前年同月比で低下しており、地域間での格差が浮き彫りになっています。

正社員の有効求人倍率は0.93倍と、全体の有効求人倍率よりも低い値に留まっています。この数値は、パートタイムや契約社員を含む求職者の割合が高いことを反映しており、正社員求人を中心とした雇用の増加が今後の課題として挙げられます。

さらに、新規求人数は前年同月比で3.7%増加しましたが、これは業種ごとの求人の増減が影響しています。例えば、情報通信業では21.4%の大幅な増加を記録しましたが、製造業は5.4%減少しました。また、医療・福祉業界も0.7%とわずかに増加しましたが、全体的な安定成長には至っていません。

このようなデータは、雇用市場の現状とその中での課題を明らかにしています。企業側としては、新たな人材を引き付けるために効果的な求人方法を採用する必要があります。また、求職者側も、自身のスキルセットを強化し、多様な業種や役割に適応できる準備を進めることが求められます。

⇒ 詳しくは福岡労働局のWEBサイトへ

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