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2025年1月21日

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2024年11月の家計消費支出動向 名目3%増加も実質0.4%減少の理由を分析

家計調査報告(二人以上の世帯)2024年(令和6年)11月分(総務省)

2024年11月の家計調査報告では、二人以上の世帯における消費支出が1世帯当たり295,518円と発表されました。前年同月比では名目で3.0%の増加が見られる一方、実質では0.4%の減少となりました。この動向は日本の家計の消費行動や物価上昇の影響を反映しており、特に企業の採用担当者や政策担当者にとって重要なインサイトを提供するものです。

消費支出の内訳を見ると、増加した項目と減少した項目がはっきりと分かれていることが分かります。例えば、教育関連の支出は授業料や補習教育費などの項目で30.6%増加し、消費支出全体への寄与度も0.79%と大きな影響を与えています。一方で、被服および履物の支出は11.5%減少し、消費支出全体への寄与度は-0.60%とマイナスの影響を及ぼしています。これらのデータは、消費者の優先順位や経済的な制約がどのように変化しているかを示唆しており、特に生活必需品といった支出以外の項目で顕著な変化が見られる点が注目されます。

また、勤労者世帯の実収入は1世帯当たり514,409円となり、前年同月比で実質0.7%、名目で4.1%増加しました。この増加は、主に世帯主の収入および配偶者収入の上昇によるものです。世帯主収入は390,141円で1.3%、配偶者収入は92,905円で4.3%それぞれ実質的に増加しています。こうした収入の増加は、非消費支出が名目で1.8%増加している中で、可処分所得の増加に寄与しており、平均消費性向が74.9%に達しています。これは家計が消費にどの程度の割合を割いているかを示すものであり、消費支出の動向と密接に関連しています。

さらに詳細なデータを見ると、光熱・水道費が20,301円で2.9%の減少、家具・家事用品は12,259円で13.8%の減少となっています。一方で、教育関連費用や住居費の増加が顕著で、特に設備修繕や維持費が21.7%の大幅増加を記録しています。このような支出の動向は、家庭の優先順位が耐久消費財から教育や居住環境の改善にシフトしていることを示唆しています。

企業の採用担当者にとって、このようなデータは重要な示唆を与えます。特に労働市場や給与の動向を反映したデータから、どのような福利厚生や報酬制度が求められているのかを判断する材料となります。また、光熱費や家事用品の減少から、省エネ製品や効率的な家庭用品への需要が高まっていることも予測されます。このようなトレンドは、採用候補者の生活コストを軽減する福利厚生制度を検討する企業にとっても有益です。

さらに、教育や技能訓練に関連する支出の増加は、社員のキャリアアップや研修プログラムの重要性を示唆しています。企業がこれらの分野に投資することで、求職者や従業員の支持を得るだけでなく、企業のブランド価値を高めることも可能です。また、全体的な可処分所得の増加傾向は、消費者としての従業員が積極的に消費行動を行う余地が広がっていることを示しており、福利厚生制度の拡充や給与体系の見直しに活用できるデータです。

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ

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