2025年1月21日
労務・人事ニュース
2024年11月の景気動向指数速報 一致指数115.3で3か月ぶりの下降
景気動向指数(令和6年11月分速報)(内閣府)
令和7年1月10日に発表された最新の景気動向指数速報によると、2024年11月の景気指標が複数の要因により変動を見せています。内閣府経済社会総合研究所が公表したデータでは、景気動向指数(Composite Index, CI)の先行指数、一致指数、遅行指数においてそれぞれの動向が記録されました。
まず、先行指数は107.0で、前月比2.1ポイントの下降となり、3か月ぶりの下降を記録しました。この下降は、7か月後方移動平均でも0.57ポイントの減少を示し、連続5か月の下降が続いています。一方で、3か月後方移動平均は横ばい状態を保っています。これらの結果は、将来的な経済活動の低迷を示唆しており、慎重な観察が求められます。
一致指数については、115.3を記録し、前月比で1.5ポイントの下降が確認されました。これも3か月ぶりの下降となりますが、3か月後方移動平均では0.67ポイントの上昇が見られ、連続3か月の上昇が続いています。7か月後方移動平均では変動は見られず、横ばいの状態が維持されています。この一致指数は現時点での経済活動を測る指標であり、生産や雇用といった主要な要素を反映しています。
最後に、遅行指数は108.7で、前月比1.2ポイントの上昇を示しました。この指標は2か月連続の上昇となっており、3か月後方移動平均では0.30ポイントの上昇、7か月後方移動平均でも0.38ポイントの上昇が記録され、連続7か月の増加傾向が確認されています。この遅行指数は、経済の過去の動きを反映するため、現状や将来の見通しを補完する役割を持ちます。
一致指数の基調判断については、「下げ止まりを示している」という評価が維持されました。具体的には、生産指数(鉱工業)や投資財出荷指数(輸送機械を除く)のマイナス寄与が一致指数の下降に影響を与えていますが、全体として基調判断に大きな変化はありませんでした。
個別シリーズの推移を詳しく見ると、生産指数(鉱工業)は101.7で前月比0.42ポイントのマイナス寄与となりました。また、鉱工業用生産財出荷指数と耐久消費財出荷指数もそれぞれ98.5と103.5で下降が見られました。一方、商業販売額(小売業)と商業販売額(卸売業)は前年同月比でプラスの成長を示しており、小売業は2.8%、卸売業は4.0%の増加を記録しました。これらの動向は、国内の消費動向や物流の変化を反映しています。
有効求人倍率については、1.25と前月と同水準を保ち、雇用市場が安定した状態を維持していることを示しています。また、輸出数量指数は100.5で、前月比で0.36ポイントの下降が見られ、外需の減少が一部で影響を与えています。
これらのデータは、基調判断において景気後退の動きが「下げ止まり」に達している可能性を示しています。特に、3か月後方移動平均と7か月後方移動平均を基準に、当月の変化方向と過去の累積データを総合的に判断することが基調判断の重要なポイントとなります。
現時点では、景気が拡張局面に入るための明確な指標は見られませんが、一部のデータが改善の兆しを見せており、今後の動向が注目されます。これらのデータは、国内外の経済動向や政策決定に影響を与える重要な情報源となるでしょう。
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