2025年2月13日
労務・人事ニュース
2024年12月の就業者数は6811万人!雇用市場の安定化が続く
労働力調査(基本集計)2024年(令和6年)12月分(総務省)
2024年12月の労働力調査によると、日本の就業者数は6811万人に達し、前年同月比で57万人の増加が確認された。これは29か月連続の増加となっており、雇用市場の安定を示す重要な指標といえる。特に雇用者数は6181万人となり、前年比67万人増加しており、34か月連続で拡大している。正規職員・従業員の数も3658万人と、66万人の増加を記録し、14か月連続で増加の傾向が続いている。一方で、非正規職員・従業員の数は2179万人となり、前年比4万人の減少が見られた。これは2か月連続の減少であり、雇用の安定化が進んでいる可能性がある。
産業別に見ると、「医療・福祉」、「サービス業(他に分類されないもの)」、「教育・学習支援業」などで就業者が増加している。一方で、「建設業」、「製造業」、「農業・林業」などの分野では減少が見られた。これは、業種ごとの人材需要の変化を反映しており、今後の雇用戦略に影響を及ぼす可能性がある。
就業率についても上昇傾向が続いている。15歳以上人口における就業率は62.0%となり、前年同月比で0.6ポイント上昇した。特に15~64歳の就業率は80.0%と、同じく0.6ポイントの増加を記録した。男女別では、男性の就業率が84.7%と0.1ポイントの上昇、女性の就業率は75.3%と1.3ポイントの上昇が見られた。特に女性の就業率の伸びが顕著であり、労働市場における女性の活躍が一層進んでいることが分かる。
一方、完全失業者数は154万人となり、前年同月比で2万人減少した。これは5か月連続の減少となっており、雇用状況の改善を示している。求職理由別に見ると、「勤め先や事業の都合による離職」が3万人減少し、「新たに求職」も3万人の減少となった。一方で「自発的な離職(自己都合)」は1万人増加しており、より良い労働環境を求める転職の動きが活発化している可能性がある。
完全失業率は2.4%となり、前月比で0.1ポイント低下した。この結果から、日本の労働市場は引き続き安定しており、失業率の低下が続いていることが分かる。特に男性の完全失業率は2.5%、女性は2.4%と、性別による大きな差は見られなかった。
また、非労働力人口は4012万人となり、前年同月比で69万人の減少が見られた。これは34か月連続の減少となっており、労働市場への参加が増えていることを示している。特に、女性や高齢者の労働参加が進んでいることが考えられる。
雇用形態別に見ると、正規の職員・従業員が増加する一方で、非正規の職員・従業員は減少している。この傾向は、企業側が安定した雇用を重視する方向にシフトしていることを示唆しており、今後もこの流れが続く可能性がある。
業種別の詳細を見ると、「医療・福祉」分野での雇用増加が目立ち、前年比34万人の増加が記録された。「教育・学習支援業」も21万人の増加となっており、人材確保の動きが活発であることがうかがえる。一方で、「建設業」は16万人、「製造業」は21万人の減少となり、雇用環境に課題を抱えている業種もある。
このような状況の中で、企業の採用戦略としては、今後も安定した雇用の確保に重点を置きながら、成長が見込まれる分野への人材配置を強化することが求められる。特に、労働市場における女性の活躍推進や、高齢者の雇用促進策が重要な課題となるだろう。加えて、企業が持続的に成長するためには、デジタル分野や新技術への対応が不可欠であり、これらの分野での人材確保が競争力の向上につながる。
採用担当者にとっては、これらのデータをもとに市場の動向を把握し、適切な採用計画を立てることが重要となる。今後の労働市場は、デジタル化の進展や働き方改革の影響を受けながら変化を続けると考えられるため、企業としても柔軟な対応が求められる。
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ