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2024年8月3日

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2024年5月、平均月間現金給与総額297,162円、前年比2.0%増加

毎月勤労統計調査 令和6年5月分結果確報(厚労省)

令和6年5月、厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査の結果によると、事業所規模5人以上の事業所における月間現金給与総額は前年同月比2.0%増の297,162円となりました。このうち、一般労働者の現金給与総額は380,516円で2.6%の増加、パートタイム労働者は108,702円で3.4%の増加を示しました。

給与の内訳としては、決まって支給される給与が前年同月比2.0%増の281,665円、所定内給与が2.1%増の262,496円、所定外給与が0.9%増の19,169円、特別に支払われた給与が0.1%増の15,497円となっています。一般労働者の所定内給与は332,320円で2.6%増、パートタイム労働者の時間当たり給与は4.1%増の1,329円となりました。

実質賃金に関しては、現金給与総額で-1.3%減少、決まって支給される給与で-1.2%減少という結果になりました。これにより、労働者の実質的な購買力は前年同月と比較して低下していることが示されています。

月間実労働時間数は、総実労働時間が前年同月比1.0%増の136.8時間、所定内労働時間が1.2%増の127.0時間、所定外労働時間が2.0%減の9.8時間となりました。出勤日数は0.4日増の17.7日であり、労働者の労働時間がわずかに増加したことがわかります。

調査産業全体で見ると、現金給与総額の増加率は業種によって異なり、建設業や情報通信業、運輸業・郵便業などで顕著な増加が見られました。建設業では現金給与総額が前年同月比7.4%増の393,741円、情報通信業では5.0%増の430,308円、運輸業・郵便業では5.6%増の337,968円となっています。一方で、飲食サービス業など一部の業種では減少が見られました。

また、常用雇用に関しても増加が見られ、調査対象事業所全体で前年同月比1.3%増の50,816千人となりました。特に一般労働者の雇用が2.9%増加しており、労働市場が活性化していることがうかがえます。しかし、パートタイム労働者の比率は30.70%で前年同月比0.73ポイント上昇しており、非正規雇用の割合も増加しています。

以上の結果から、給与や労働時間の動向を通じて、日本の労働市場の現状と課題が浮き彫りになっています。特に実質賃金の減少は労働者の生活に直結する問題であり、今後の経済政策や労働環境の改善が求められます。

具体的な産業別の動向を見ると、鉱業、採石業では現金給与総額が前年同月比14.6%減の299,126円となり、大幅な減少が見られました。一方で、金融業、保険業ではわずか0.2%増の492,846円と、ほぼ横ばいの状態です。不動産・物品賃貸業や学術研究業などでも若干の増加が見られるものの、大幅な増加や減少は確認されていません。

この調査結果は、企業が労働者に対してどのような給与を支払い、労働時間をどのように管理しているかを明らかにするものであり、政策立案や経営戦略の基礎資料として重要です。企業においては、給与の増減や労働時間の管理が経営効率や労働者の満足度に大きく影響するため、これらのデータを参考にして労働環境の改善や生産性向上を図ることが求められます。

今回の調査では、調査対象事業所数が32,708事業所、回答事業所数が25,461事業所、回収率が77.8%であり、比較的高い回答率が維持されています。このような高い回答率により、得られたデータは信頼性が高く、政策立案や経営戦略において有効に活用できるでしょう。

最後に、令和6年1月分の確報において、母集団労働者数の更新作業(ベンチマーク更新)が行われたことにより、令和6年の前年同月比などについては令和5年にベンチマーク更新を行った参考値と比較して算出しています。このため、令和6年のデータは令和5年の参考値と比較して大きな変動が見られる場合がありますが、これは更新作業によるものであり、データの精度向上を目的としたものです。

以上のように、毎月勤労統計調査の結果から日本の労働市場の現状を把握することができ、今後の経済政策や労働環境の改善に向けた指針を得ることができます。特に、実質賃金の減少や非正規雇用の増加など、課題が多く存在するため、これらの問題に対する対策が求められます。労働者の生活の質を向上させ、企業の生産性を高めるためには、給与の適正化や労働時間の管理、労働環境の改善が不可欠です。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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