2024年7月7日
労務・人事ニュース
2024年6月の中小企業売上げDI、マイナス幅拡大で▲3.9に悪化
中小企業景況調査(2024年6月調査)(日本政策金融公庫)
2024年6月28日、株式会社日本政策金融公庫の総合研究所が発表した最新の中小企業景況調査によると、売上げDIがマイナス幅を拡大し、売上げ見通しDIも低下しました。この調査は三大都市圏における900社を対象に行われ、そのうち555社から有効な回答が得られました。
2024年6月の売上げDIは、5月から1.3ポイント悪化し、▲3.9となりました。今後3カ月間(6月~8月)の売上げ見通しDIも同様に低下し、5月から4.5ポイント減少して0.2となりました。このデータは中小企業の売上げが引き続き厳しい状況にあることを示しています。
一方で、利益額DIは5月から2.6ポイント改善し、▲2.9となりました。これにより、黒字企業の割合が赤字企業の割合を6.3ポイント上回り、25.9%となりました。この改善は一部の中小企業において利益が回復傾向にあることを示唆しています。
価格に関しては、販売価格DIが2.5ポイント低下し、12.5となりました。また、仕入価格DIも2.4ポイント低下し、31.2となりました。これらの結果は、企業が販売価格の引き上げに苦慮しながらも、仕入価格の上昇圧力を受けていることを示しています。
従業員判断DIは2.9ポイント上昇し、11.3となりました。これは、企業が従業員の不足を感じている状況を反映しています。また、生産設備判断DIは3.0ポイント改善し、▲5.6となりました。この改善は、生産設備の過剰感が若干和らいだことを示しています。
資金繰りの状況については、資金繰りDIが0.2ポイント低下して5.0となりましたが、依然として企業の資金繰りは比較的安定しています。金融機関の貸出態度DIは0.7ポイント上昇し、27.4となりました。これは、金融機関が中小企業に対して融資を緩和する姿勢を示していることを意味します。
この調査結果は、今後の中小企業の経営戦略や政策形成において重要な指針となるでしょう。特に売上げや利益の動向、価格や雇用の状況に関する詳細なデータは、企業が抱える課題を理解し、適切な対応策を講じるための貴重な情報を提供しています。
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