2024年7月17日
労務・人事ニュース
2024年6月の景気動向調査 全国12地域の現状と先行き
令和6年6月調査(令和6年7月8日公表):景気ウォッチャー調査(内閣府)
2024年6月の調査結果が発表されました。調査の目的は、地域ごとの景気動向を迅速かつ正確に把握し、景気判断の基礎資料とすることです。この調査は内閣府が主管し、各地域での調査結果をまとめて分析しています。調査対象は、家計動向、企業動向、雇用などの経済活動に敏感に反応する業種の2,050名が選定されており、毎月25日から月末にかけて調査が行われています。
6月の現状判断DI(季節調整値)は前月比1.3ポイント上昇の47.0となり、4か月ぶりに上昇しました。家計動向関連DIは住宅関連が低下したものの、小売関連等が上昇し、企業動向関連DIは非製造業の低下により総じて低下しました。雇用関連DIは上昇しています。先行き判断DI(季節調整値)も前月比1.6ポイント上昇の47.9となり、雇用関連DIは低下しましたが、家計動向関連DIおよび企業動向関連DIが上昇しました。
全国12地域の動向では、現状判断DIが9地域で上昇、2地域で低下、1地域で横ばいでした。最も上昇幅が大きかったのは北陸(5.0ポイント上昇)、最も低下幅が大きかったのは北海道(2.0ポイント低下)でした。先行き判断DIは10地域で上昇、2地域で低下し、沖縄が最も大きく上昇(7.6ポイント)し、甲信越が最も大きく低下(1.8ポイント)しました。
各地域の詳細な動向については、北海道では家計動向関連の売上が天候の影響で好調でしたが、分譲マンションの購入意欲が低下していることが指摘されています。企業動向では、青果物の市場価格上昇が続き、景気が悪化しています。雇用関連では求職者数の増加と求人情報誌での求人減少が見られます。
東北では、家計動向関連でエアコンなどの夏商材は好調ですが、その他の商品は前年割れが続いています。企業動向では、食品の値上げが続いており、販売量が減少しています。雇用関連では新卒採用の早期化が進んでいる一方で、求人数が減少しているとの報告があります。
関東地方では、家計動向関連の売上が夏の観光シーズンを迎えて増加していますが、物価上昇の影響が続いています。企業動向では、半導体向けの需要が回復傾向にあり、雇用関連では慢性的な人材不足が続いています。
甲信越地域では、家計動向関連の販売量が減少しており、企業動向では新規の引き合いが出始めています。雇用関連では、人材の確保が困難な状況が続いています。
北陸地域では、家計動向関連でエアコンの販売が増加しており、企業動向では青果物の市場価格が高止まりしている影響で景気が悪化しています。雇用関連では、求人が減少傾向にあります。
近畿地域では、家計動向関連のインバウンド売上が好調で、企業動向では半導体向けの需要が回復しています。雇用関連では、新卒採用の早期化が進んでいます。
中国地域では、家計動向関連で物価上昇の影響が大きく、企業動向では食品の値上げが続いています。雇用関連では、求人が減少しています。
四国地域では、家計動向関連の販売量が減少しており、企業動向では新規の引き合いが増えています。雇用関連では、人材不足が続いています。
九州地域では、家計動向関連でインバウンド売上が好調で、企業動向では半導体向けの需要が回復しています。雇用関連では、新卒採用の早期化が進んでいます。
沖縄地域では、家計動向関連で観光需要が本格化し、企業動向では半導体向けの需要が回復しています。雇用関連では、新卒採用の早期化が進んでいます。
今回の調査結果からは、全体的に景気は緩やかな回復基調が続いているものの、地域ごとの特徴や課題が浮き彫りになっています。物価上昇や人材不足など、各地域で異なる問題が存在しており、それぞれの地域が直面する課題に対して適切な対策を講じる必要があります。
この調査結果を基に、内閣府や各地方自治体は、地域ごとの景気動向を把握し、今後の政策立案に役立てていくことが期待されます。地域の経済活動を支えるためには、引き続き迅速かつ的確な情報収集と分析が重要です。
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ