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2024年10月5日

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2024年6月の鉄道旅客輸送量、前年同月比3.7%増加も2019年比では9.0%減少

鉄道輸送統計月報(概要)(令和6年(2024年)6月分)(国交省)

2024年6月の鉄道輸送に関する統計データによると、鉄道の旅客輸送および貨物輸送の状況は、日本の経済活動や社会の移動動向を反映しており、興味深い変化が見られました。まず、鉄道や軌道による旅客輸送量は、総計で約19億6593万人に達し、前年同月比で3.7%増加しました。しかし、コロナ禍以前の2019年同月と比べると9.0%の減少が見られます。旅客人キロで見ると、318億人キロで前年同月比3.8%増加していますが、2019年と比較すると9.6%の減少が続いています。

この旅客輸送量の増加は、特にJR旅客会社と民鉄の両方で見られ、前者は前年同月比3.4%の増加、民鉄では3.9%の増加が確認されました。新幹線の利用においても前年同月比で9.7%の増加があり、6月の移動需要の回復を示しています。ただし、2019年と比較すると、いずれも依然として9〜10%の減少傾向が続いており、観光やビジネス移動の完全な回復には至っていない状況です。

一方で、鉄道貨物輸送においては、少し異なるトレンドが見られました。貨物の輸送総量は289万トンで、前年同月比で8.1%の減少となり、さらに2019年と比較しても12.5%の減少が記録されています。貨物トンキロにおいても、14億トンキロで前年同月比で2.8%減少し、2019年比でも11.8%の減少が続いています。これは、経済の回復基調がある一方で、鉄道貨物輸送が回復するまでに時間がかかっていることを示しています。

貨物の内訳をさらに詳しく見ると、コンテナ貨物は約165.8万トンで、前年同月比0.8%の減少がありました。これに対して、車扱貨物は約123.1万トンで16.3%も減少しており、特に車扱貨物における減少が大きく影響を与えています。この傾向は貨物トンキロのデータにも反映されており、コンテナ貨物は97.8%で前年よりわずかに減少しているものの、車扱貨物は89.9%と大幅な減少が見られます。

全体として、2024年6月の鉄道輸送データは、日本の鉄道網が徐々に回復しつつあるものの、依然としてコロナ禍以前の水準には戻っていないことを示しています。特に旅客輸送においては、国内旅行や通勤の回復が進んでいますが、ビジネスや国際的な移動の減少が続いていることが要因と考えられます。一方で貨物輸送については、需要の低迷や経済活動の変化が影響し、特に車扱貨物における大幅な減少が目立ちます。

鉄道事業者にとって、このデータは今後の需要動向を見極め、運行計画や投資計画を調整する重要な指標となるでしょう。特に、旅客輸送における新幹線の需要回復に向けた取り組みや、貨物輸送の効率化を図るための新たな施策が求められています。また、国や自治体もこのデータを元に、移動需要の回復を後押しするための政策を強化する必要があります。観光促進キャンペーンやビジネス移動支援策などがその一環として考えられます。

さらに、今後の見通しとしては、国内外の経済状況やコロナウイルスの再拡大の懸念が続く中で、鉄道輸送の完全な回復には時間がかかる可能性があります。企業の採用や事業活動の再開に伴い、移動需要が増加する一方で、リモートワークの普及により一部の通勤需要が減少する可能性もあります。このような状況下で、鉄道事業者は新たな需要に対応するための柔軟な戦略を立てることが不可欠です。

以上のように、2024年6月の鉄道輸送データは、旅客と貨物の双方で異なる傾向を示しており、今後の経済活動や移動の回復に向けた鍵となる情報を提供しています。特に、新幹線や貨物輸送の回復を支援するための施策が求められ、鉄道事業者や政策立案者にとって重要な指針となるでしょう。今後の動向を注視しながら、鉄道輸送のさらなる効率化と回復に向けた取り組みが期待されます。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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