2024年9月4日
労務・人事ニュース
2024年8月、景気DIは44.3に改善!製造業を中心に7業界で上向き
帝国データバンク「TDB景気動向調査 -2024年8月調査結果-」(2024年9月4日)
2024年8月に実施されたTDB景気動向調査によると、国内景気は2カ月連続で改善し、景気DIは前月比0.5ポイント増の44.3となりました。この改善は、観光産業や季節的な需要が全体の景況感を押し上げたことが大きな要因です。8月は全国的な猛暑が続き、地震や台風の影響が見られたものの、インバウンド需要やお盆シーズンでの外出機会の増加が、観光産業の景況感を押し上げました。また、飲料や冷菓、喫茶店などの飲食関連や、熱中症予防グッズ、冷房設備工事などの需要拡大も見られました。さらに、半導体関連の設備投資が好調で、価格転嫁の広がりも景気にとって好材料となりました。一方で、工場の稼働停止や人手不足、コスト負担の増加などのマイナス要因も存在しています。
業界別では、10業界中7業界で景況感が改善し、特に「製造」業が押し上げ役となりました。製造業は観光需要の回復や地元の購買力のアップにより、飲食料品・飼料製造や繊維・繊維製品・服飾品製造が5カ月ぶりに改善しました。また、半導体関連が好調な化学品製造も3カ月ぶりに回復しています。一方で、自動車の減産や台風接近による工場の稼働停止が「輸送用機械・器具製造」に悪影響を及ぼし、4カ月ぶりに悪化しました。
地域別では、10地域中9地域が改善し、特に北関東と九州での改善が目立ちました。北関東ではインバウンド消費や猛暑関連特需が景況感を押し上げ、リフォーム需要も中小企業の改善に寄与しました。一方で、東海地域では自動車の減産に加え、地震や台風の影響が景況感にマイナスの影響を与えました。
今後の見通しについては、実質賃金の上昇継続性や市場金利、外国為替レートの動向が注目されるとともに、観光産業の回復やDXの推進、グリーンエネルギー政策、自動化やロボット技術への投資が増加すると予測されています。また、生成AIの普及や半導体需要の増加もプラス要因として期待されています。ただし、物流コストの上昇やインフレの進行、人手不足、家計の節約志向、国際的な緊張などは依然としてリスク要因として認識されています。
これらの結果を受け、国内景気は底堅く推移していくと見られ、企業においては投資意欲の回復や新規案件の受注機会の増加が期待されます。しかしながら、企業規模によっては人手不足やコスト増加など、引き続き課題が残る状況が続く見込みです。特に中小企業や小規模企業においては、猛暑や自然災害への対応が求められる一方で、インバウンド需要や季節的な需要増加をどのように取り込んでいくかが鍵となるでしょう。
企業の採用担当者にとって、これらの景気動向を理解し、今後の採用戦略や人材確保にどのように反映させるかが重要です。特に、インバウンド需要の増加やDX推進によるIT人材の需要増加が見込まれるため、関連するスキルを持つ人材の確保が急務となるでしょう。また、製造業においては、半導体関連の技術者や設備投資に対応できる人材が求められることが予想されます。
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