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2024年12月23日

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2025年の業況判断DIが13ポイント改善予定!中小企業の業績回復に向けた期待と課題

2025年の中小企業の景況見通し(日本公庫)

2024年12月11日、日本政策金融公庫総合研究所が発表した最新の「中小企業景況調査」によると、2024年の業況判断DIは▲4.7で、前年の8.2から大幅に低下した。しかし、2025年には業況が好転し、DIが8.3に上昇する見通しが示されています。今回の調査は三大都市圏を対象に実施され、900社に調査依頼を行い、510社から有効回答を得ることで実現しました。

2024年の業況悪化の主な要因としては、国内需要の低迷が挙げられています。調査によれば、国内需要動向を悪化要因とした企業は84.1%に達し、特に建設関連分野での影響が顕著でした。一方で、2025年に向けては、電機・電子、食生活、衣生活関連など複数の分野で需要が改善するとの期待が示されており、総じて業況の回復が期待されています。特に円高による輸入品価格の低下や、原油価格の下落がコスト削減に寄与するとの回答が多く寄せられました。

企業経営者の最大の不安要素は依然として「国内の消費低迷、販売不振」で、62.5%の企業がこれを挙げています。これに続いて、「人材の不足・育成難」が41.9%、「金融動向(金利上昇や資金調達の難しさ)」が20.2%という結果になりました。一方で、期待要素としては、「円高による輸入製品価格の低下」が最も多くの支持を集め、20.2%の企業がこれを業績回復の鍵と見ています。

売上高や利益率の見通しにおいても、明るい兆しが見られます。2025年の売上高DIは16.0と、2024年実績の1.2から大幅に上昇する見込みです。同様に、経常利益DIも▲6.8から8.8への回復が予測されています。これらのデータは、企業が2025年にかけて積極的な営業活動や価格戦略を展開し、収益改善を目指していることを反映しています。

また、設備投資や人員確保の動向についても興味深い結果が得られました。2025年の設備投資DIは▲0.4で、2024年の▲0.2からわずかに低下する見通しです。しかし、従業員数DIは12.4と、2024年の0.8から大幅に上昇しており、人材採用に対する積極姿勢が鮮明となっています。特に、調査対象企業の65.6%が「人材の確保・育成」を経営の重点施策として挙げ、前年調査を上回る結果となりました。

一方で、2025年の販売価格DIは34.2と、2024年の43.5から9.3ポイント低下する見通しです。企業がコスト削減を重視する一方で、価格競争の激化が見込まれることが、この結果に反映されていると考えられます。これに伴い、仕入価格DIも43.6と、2024年実績の54.4から10.8ポイント低下する見通しで、全体的にコスト管理の重要性が一層高まると予想されます。

金融動向についても注目すべき点があります。2025年の借入金利DIは上昇が見込まれており、企業にとって資金調達コストが増大する可能性があります。資金繰りDIや借入残高DIは低下する見通しであり、企業はより慎重な資金計画を求められることが予測されます。

今回の調査から得られたもう一つの重要な示唆は、中小企業が経営基盤の強化に向けた多岐にわたる施策を検討している点です。具体的には、「営業・販売力の強化」が64.9%、「販売価格の引き上げやコストダウン」が44.7%と高い割合を占めています。これに加えて、「自社ブランドの育成・強化」や「ITの活用促進」も注目分野として挙げられました。

日本経済全体に影響を与える中小企業の動向は、2025年以降も多くの課題と可能性を内包しています。今回の調査結果を踏まえ、各企業が市場環境の変化に適応し、経営の安定と成長を実現していくことが求められます。

⇒ 詳しくは日本政策金融公庫のWEBサイトへ

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