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2023年12月14日

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2025年度施行予定、育児時短就業給付(厚労省)

育児休業給付率の引き上げと育児時短就業給付の創設に関する検討が行われました。

育児休業給付に関しては、両親が育児休業を取得することを促進するため、給付率を一定期間、現行の67%から80%へ引き上げることが提案されました。

この給付率の引上げは、特に男性の育児休業取得を促進するための措置として考えられています。

給付対象となる育児休業の範囲や条件についても議論され、子の出生後一定期間内に両親が育児休業を取得することが条件とされています。

また、育児時短就業給付の創設についても議論されました。この給付は、男女共に時短勤務を選択し、その結果生じる賃金の低下を補うためのものです。

給付対象となる時短勤務の条件、給付水準、給付期間などについての詳細な検討が必要であることが指摘されています。

これらの提案は、男性の育児休業取得の促進や育児とキャリア形成の両立支援を目的としており、職場や社会全体での意識改革が必要であることも強調されています。また、制度設計においては、他の労働者への影響や職場環境への配慮も求められています。

育児休業給付と高年齢雇用継続給付に関する情報

育児休業給付と高年齢雇用継続給付に関する主要なポイントは以下の通りです。

  • 育児休業給付の概要
    労働者が1歳未満(特定の場合は最長2歳)の子を養育するための育児休業を行う場合に給付金が支給されます。この給付には、育児休業給付金及び出生時育児休業給付金が含まれます。給付額は、育児休業開始から180日までは休業開始前賃金の67%相当額、それ以降は50%相当額となります。給付の上限額と下限額も設定されています。
  • 給付の要件
    雇用保険の被保険者が育児休業を取得した場合に支給されます。休業開始前2年間に、賃金の支払の基礎となった日数が11日以上ある月が通算して12か月以上あることが条件です。
  • 男女共に育児休業を取得する例
    男女共に育児休業を取得する場合の具体的な給付例が示されています。
  • 高年齢雇用継続給付の概要
    60歳以上65歳未満の労働者が60歳以後に賃金が減少した場合に、高年齢雇用継続基本給付金や高年齢再就職給付金が支給されます。給付金の種類や支給期間、給付額などが詳細に説明されています。
  • 育児のための短時間勤務制度の利用状況
    女性の正社員では51.2%、女性の非正社員では24.3%、男性の正社員では7.6%が利用しているとのデータが示されています。

この情報は、育児休業や高年齢雇用継続給付に関心のある人々、特にこれらの制度を利用する可能性がある労働者や人事担当者にとって非常に役立つでしょう。

子育て世代の支援を強化する育児休業給付の見直し

「育児休業給付等に関する論点」報告書では、現行の育児休業給付制度の見直しに焦点を当てています。主な内容は以下の通りです。

  • 育児休業給付の現状
    1995年に創設された育児休業給付は、労働者が育児休業を取得しやすくし、雇用継続を援助・促進するためのものです。給付率は他国と比べて高いが、支出は増加傾向にあり、安定的な財政運営が必要です。
  • 給付の内容
    育児休業給付は、子が1歳未満の期間を主な支給対象としていますが、1歳を超えても休業が必要な場合、最長で2歳に達するまで延長が可能です。
  • 給付の見直し
    雇用保険制度としての育児休業給付の位置付けや財源の在り方について見直しが必要とされています。特に、男性の育休取得促進や少子化対策としての給付拡充が議論されています。
  • 柔軟な働き方の推進
    育児休業からの早期復職や、育児のために時短勤務するような柔軟な働き方を推進する観点から、時短勤務を選択した場合の給付創設が考慮されています。
  • 非正規雇用労働者の支援
    雇用保険の適用対象外となっている非正規雇用労働者への育児中の所得保障についても議論されています。

2025年度からの「育児時短就業給付」創設

この給付は、男女ともに一定時間以上の短時間勤務を選択した際に、賃金の低下を補うために提案されています。

特に、こどもが2歳未満の間、時短勤務を選択することによる賃金の低下を補い、時短勤務の利用を促進する目的があります。

この給付の実施は2025年度からを目指しており、具体的な給付水準や設計に関しては、男女間のキャリア形成の差が生じないように検討される予定です。

会議では、この給付に対する様々な意見が示されました。

一部の意見では、賃金補填を行うことによる社内での分断や、時短勤務の固定化による女性活躍推進の逆行の懸念が指摘されました。

また、育児休業給付の給付率の引き上げや時短勤務時の給付創設などについては、失業等給付とのバランスや給付の対象外者との公平性を考慮し、慎重に検討する必要があるとの意見もありました。

さらに、育児休業給付等に関連する論点として、柔軟な働き方を実現するための措置の重要性が強調されました。

この中で、短時間勤務の活用を促すための給付の創設が共働き・共育ての推進に重要であるとの意見が示されています。

また、雇用保険制度の趣旨や目的に照らして、時短勤務を選択した場合の給付の創設を検討することが提案されています。

この議論は、育児と仕事の両立を図るための政策の一環として、重要な位置を占めています。今後の具体的な制度設計や給付水準の決定によって、多くの家族が恩恵を受けることが期待されています。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ