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2025年4月24日

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2025年2月 家計支出は290,511円、実質0.5%減少:採用戦略に活かすべき最新家計調査

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家計調査報告(二人以上の世帯)2025年(令和7年)2月分(総務省)

2025年2月分の家計調査(二人以上の世帯)では、消費と収入の両面において興味深い動向が見られました。まず、全国平均の1世帯あたり消費支出は290,511円となり、これは名目で前年同月比3.8%の増加を示していますが、物価変動を加味した実質では0.5%の減少となっています。一方で、前月比(季節調整済)では実質3.5%の増加が確認され、短期的には支出が拡大傾向にあることがわかります。

支出の内訳をみると、エネルギー関連では電気代が引き続き家計への影響を強めており、光熱費全体では実質7.6%の増加となりました。このうち電気代の寄与度は0.55%と高く、価格上昇や需要増が背景にあると見られます。また、自動車関連費用も顕著で、自動車購入や用品支出を含む自動車等関係費は実質4.6%の増加、寄与度は0.66%となりました。

反対に、設備修繕・維持費は実質で8.1%減少し、寄与度は▲0.50%と家計全体の支出を抑える要因となりました。さらに、保健医療サービス(▲7.1%)、衣料品(▲12.5%)、家庭用耐久財(▲8.7%)といった分野でも実質支出が大きく減少しています。これらは物価や需要の影響に加えて、消費者の支出優先順位の変化を反映していると考えられます。

特に興味深いのは、2024年がうるう年だった影響を除いて試算した場合、前年同月比で実質1.8%の増加となる点です。これは、実質の前年同月比較ではマイナスでも、カレンダー要因を補正すればプラスに転じる可能性を示唆しており、単純な前年比比較では読み取れない家計の実態を把握するうえで重要な視点となります。

一方、勤労者世帯における収入動向については、1世帯あたりの実収入が571,993円と名目では前年同月比で1.9%の増加となった一方、実質では2.3%の減少という結果でした。これは、物価上昇に賃金の上昇が追いついていない状況を反映しています。特に、定期収入の実質変化率が▲1.1%、世帯主の収入は実質でわずかに▲0.03%の減少、配偶者の収入は▲7.6%と大幅な減少となっており、共働き世帯でも実質収入の目減りが続いていることがわかります。

また、非消費支出(税金や社会保険料など)は97,648円と前年同月比で1.9%増加しており、実質可処分所得は474,345円、実質では2.3%の減少となりました。これに伴い、平均消費性向は66.2%と前月より1.3ポイント上昇しています。これは、収入が実質的に減少している中で、支出の一定部分が維持されていることを示しており、家計がやや厳しい状況にあることを浮き彫りにしています。

このように、2025年2月の家計調査からは、名目収入や支出は増加している一方で、実質的には家計の負担感が高まっている現状が明確に読み取れます。とくに、勤労者世帯における実収入の減少と、支出の中で生活必需品やエネルギー関連の比重が高まっている点は、採用担当者や経営者が従業員支援や福利厚生の見直しを検討するうえで、重要な示唆を与える内容となっています。

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ

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