2025年8月10日
労務・人事ニュース
2025年7月の企業動向調査で求人難が12.8%、採用活動に深刻な影響も
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「夜勤なし」/正看護師/老人保健施設/介護老人保健施設/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年8月11日 22:41
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「駅チカ」/准看護師/外科/放射線科/クリニック/夜勤なし
最終更新: 2025年8月11日 22:41
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「高給与」/正看護師/訪問看護ステーション/訪問看護/夜勤なし
最終更新: 2025年8月11日 22:41
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「夜勤なし」/准看護師・正看護師/介護施設/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年8月11日 22:41
全国中小企業動向調査結果(2025年4-6月期実績、2025年7-9月期以降見通し)(日本公庫)
日本政策金融公庫が実施した最新の全国中小企業動向調査によれば、全国の小規模企業および中小企業の経営状況に明暗が見られました。調査は2025年4月から6月期を対象に実施され、特に小企業(従業員20人未満)においては、景況の回復傾向に足踏みが見られることが明らかになりました。業況判断DIは前期比で2.7ポイント改善し▲23.1となったものの、依然としてマイナス圏内での推移が続いています。来期(7月から9月)には再びマイナス幅が拡大し、▲28.9になる見通しとなっています。
業種別に見ると、製造業および非製造業のいずれもマイナス幅が縮小したものの、依然としてすべての業種で業況判断はマイナスにとどまっており、特に卸売業や小売業では厳しい経営環境が続いています。非製造業においては、サービス業や運輸業も一時的に改善の兆しを見せましたが、来期には再び悪化が予測されており、回復にはまだ時間を要する見通しです。
売上DIに関しても、小企業全体では▲9.9と、前期から2.1ポイント改善したものの、こちらもマイナス領域にとどまっており、来期には▲13.7まで落ち込むと予想されています。売上が減少した背景には、物価高騰や需要回復の鈍さが影響しているとみられます。また、採算DIも▲12.1と前期より改善されたものの、次期には再び悪化する見通しで、収益性の面でも厳しい状況が続くと予測されます。
資金繰りに関しては、資金繰りDIが前期より7.1ポイント改善し▲18.9となりました。これは、金融機関からの借入DIも▲15.6まで改善したことが一因とされています。しかしながら、資金繰りの厳しさを感じている企業は依然として多く、金融機関との連携や補助制度の活用が求められています。
この調査では、経営上の課題として「売上不振」が35.1%で最も多く、次いで「原材料高」が18.3%、「利益減少」が16.2%と続きます。人材確保の難しさを訴える企業も12.8%に上り、特にサービス業では慢性的な人手不足が収益に影響を与えている実態が浮き彫りとなりました。また、設備の老朽化による影響も6.5%に及んでおり、中長期的な投資計画の見直しが急務となっています。
一方、中小企業(従業員20人以上)に関しては、景況感に持ち直しの動きが見られ、業況判断DIは2.9とプラスを維持しています。ただし、前期(2025年1月~3月期)からは4.6ポイント低下しており、成長の勢いには鈍化の兆しが出ています。業種別に見ると、製造業では輸送用機械や電気機械などでプラスに転じた一方で、木材や電子部品などは低下しています。非製造業では、小売業や水運業で悪化が見られたものの、サービス業や不動産業など一部では改善が進んでいます。
売上DIは11.3となり、前期からは5.2ポイントの減少でしたが、今後の見通しでは13.5、さらに15.4までの上昇が見込まれています。このような回復見込みは、消費動向の改善や販促施策の効果が徐々に現れていることを示唆しています。利益面においては、純益率DIが▲3.2とマイナスながらも、前向きな見通しが示されており、2025年10~12月期にはプラス1.4まで回復するとの予測が立てられています。
調査では設備投資についても注目すべき変化がありました。設備投資を実施した企業の割合は13.5%となり、前期から1.4ポイント上昇しています。これは、生産性向上や業務効率化への取り組みが進んでいることを反映しており、持続可能な成長に向けた動きが着実に進んでいることを物語っています。ただし、販売価格DIは25.3、仕入価格DIは69.8と、いずれも前期より低下しており、価格競争の激化とコスト上昇への対応が今後の課題となります。
地域別の分析では、中小企業においては北陸を除く8地域で業況判断DIが低下しましたが、今後は東北、北陸、近畿、中国を除く5地域で上昇する見通しとなっており、地域ごとのばらつきが鮮明になっています。北海道や関東では比較的持ち直しの兆しが見られましたが、九州や四国では依然として厳しい状況が続いています。
このように、全国の小規模・中小企業は依然として厳しい経営環境に置かれているものの、一部では改善の兆しも見え始めています。経営者にとっては、財務の健全性確保、事業戦略の柔軟な見直し、さらには人材採用と育成、デジタル技術の活用など、多面的な取り組みが求められています。また、将来の景気変動に備えて、各業種・地域の傾向を的確に読み取ることが重要です。企業の採用活動においても、地域経済の動向や業種ごとの景気の先行きを見据えた人材配置や人材確保戦略が、より重要性を増しています。今後も経済の不確実性が続く中で、こうしたデータに基づいた経営判断と戦略の立案が、企業の持続的成長のカギを握るといえるでしょう。
⇒ 詳しくは日本政策金融公庫のWEBサイトへ