2025年4月21日
労務・人事ニュース
2025年2月の岡山県における有効求人倍率1.46倍、正社員倍率も上昇で企業の人材確保が加速中
- 「夜勤なし」/准看護師/オンコールなし
最終更新: 2025年4月30日 22:32
- 看護師/2025年5月1日更新
最終更新: 2025年5月1日 11:34
- 「高給与」/准看護師・正看護師/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年4月30日 22:32
- 「夜勤なし」/正看護師/介護施設/車で通えます
最終更新: 2025年4月30日 22:32
岡山県の高年齢求職者構成比56.1%が示す令和7年2月の雇用高齢化と人材確保の新課題
令和7年2月の岡山県における有効求人倍率は、季節調整値で1.46倍と前月と同水準を維持しました。全国平均の1.26倍と比較しても高い水準にあり、引き続き人手不足の状態が続いていることがうかがえます。正社員に限定した有効求人倍率も1.36倍に達し、前年同月から0.07ポイント上昇しており、正規雇用への需要が着実に高まっていることが見て取れます。新規求人倍率も2.62倍と高水準で推移しており、企業が新たな人材を積極的に募集している姿勢が伺えます。
一方で、有効求職者数は28,502人と前年同月比で0.5%の減少を見せ、11か月ぶりに減少へ転じました。特に新規求職者数は5,829人で、前年同月比で7.8%減少し、4か月連続の減少となっています。これにより労働市場において求職者側の動きがやや鈍っている様子が見受けられます。就職件数も前年同月比で13.0%減少し、1,783件に留まりました。就職率も30.6%と、前年から1.8ポイント低下しており、就職活動の成果がやや厳しい傾向にあります。
業種別に見ると、新規求人数は15,370人となり、前年同月比で2.4%の増加となっています。特に卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、運輸業・郵便業などの業種で求人が増加しています。これは、観光需要の回復や流通の活性化といった社会全体の動向を反映した結果といえるでしょう。一方で、製造業や建設業では求人の減少が見られ、業種間での求人動向にはばらつきが生じています。
雇用保険の動向についても注目すべきです。被保険者数は597,527人で、前年同月比で0.3%減少し、7か月連続の減少となりました。また、資格喪失者のうち解雇者数は298人で、前年同月比で26.8%増加しており、4か月連続の増加となっています。これは、雇用の安定性に不安が広がりつつあることを示唆しており、今後の経済情勢や物価の動向が雇用市場に与える影響に留意する必要があります。受給者実人員(基本分)は5,907人で、前年同月比4.1%増加し、8か月連続の増加を記録していることから、雇用保険への依存が高まっている傾向も否定できません。
また、地域ごとの動向を見ると、倉敷中央や津山、西大寺といったエリアでの就職件数や求人倍率が比較的高く、地域間での雇用情勢にも格差があることが明らかです。例えば、倉敷中央の有効求人倍率は1.78倍と県内でも高水準であり、求人充足数も高いレベルを維持しています。一方で、高梁や和気といった地域では有効求人倍率が1.09倍や1.00倍と、県全体の平均よりも低く、人材のミスマッチが起きやすい状況がうかがえます。
中高年齢求職者(45歳以上)に関しても動向が注目されます。55歳以上の有効求職者数は前年同月比で2.1%増加し、15,760人に達しました。また、就職件数は2,266件で、就職率は36.1%となっています。これは前年同月と比べてやや減少しており、高年齢者の就職環境には依然として厳しさが残っているといえます。加えて、高年齢者の構成比が全体の求職者の中で56.1%を占めており、労働市場における高齢化が進行していることが分かります。
パートタイムの求人市場でも一定の動きが見られます。新規求人件数は5,994件と、前年同月比で2.5%の増加を記録しましたが、有効求人倍率は1.52倍と前年同月比でやや低下しており、パートタイム労働においても需給のバランスが変動しています。特に就職件数は848件で、就職率は39.5%となっており、前月比で若干の低下が見られます。
総じて、岡山県の労働市場は依然として求人数が求職者数を上回る「売り手市場」の状態にありますが、就職件数や就職率の低下、解雇者数の増加といった要素から、一部には雇用環境の先行きに不安が生じていることも否定できません。特に高年齢者層やパートタイム希望者の雇用状況を今後も注視する必要があり、企業側としても柔軟な雇用制度や再就職支援策の導入が求められます。さらに、地域ごとの求人倍率の差異を踏まえた採用戦略を講じることで、より効果的な人材確保に繋がる可能性があります。
⇒ 詳しくは岡山労働局のWEBサイトへ