2025年4月7日
労務・人事ニュース
2025年4月 出生後休業支援給付創設 出生時育児休業給付金または育児休業給付金と合わせ給付率 80%(手取り10割相当)
- 「車通勤OK」/正看護師/介護施設/研修が充実で安心
最終更新: 2025年4月30日 22:32
- 「夜勤なし」/准看護師/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年4月30日 22:32
- 「駅チカ」/正看護師/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年4月30日 22:32
- 「時短勤務可」/准看護師・正看護師/介護施設
最終更新: 2025年4月30日 22:32
厚生労働省関係の主な制度変更(令和7年4月)について 出生後休業支援給付の創設(厚労省)
令和7年4月以降、日本の雇用保険制度に新たに導入される「出生後休業支援給付金」は、共働き家庭を支援するための重要な施策として位置づけられています。この制度は、子どもの出生後間もない大切な時期に、父母ともに育児休業を取得しやすくするための経済的支援を目的として設計されており、いわば「育児のスタートラインを家族で支える制度」として社会的な注目を集めています。制度の特徴は、父母のいずれかが14日以上の育児休業を取得し、かつもう一方も同様の休業取得をした場合に、休業開始時の手取り収入の100%相当が支給されるという点にあります。これは既存の育児休業給付金と併せて支給される新たな給付であり、所得減少による不安を解消し、男女共に育児参加を促進する役割が期待されています。
この制度の対象となるのは雇用保険の被保険者であり、具体的には一般被保険者および高年齢被保険者が含まれます。制度の適用に際しては、出生後の一定期間において、父母ともにそれぞれ通算14日以上の育児休業を取得していることが要件とされています。対象期間は、「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までとなっており、その間に育児休業を取得していれば対象となります。ただし、被保険者が母親であり産後休業を取得している場合には、その対象期間が「出生日または出産予定日から起算して16週間を経過する日の翌日」まで延長されます。父親の場合で母親が出産後休業中など、育児休業の取得が困難な状況である場合は、「配偶者の育児休業を要件としない場合」として制度の適用が認められる特例があります。
実際の支給額は、休業開始時賃金日額に対して13%を掛けた金額が、休業日数(上限28日)に応じて支給されます。ここでいう「休業開始時賃金日額」とは、育児休業開始前の6か月間に支払われた賃金総額を180で除して算出した額となっており、2025年4月1日時点では、日額の上限が15,690円と設定されています。この金額に13%を乗じ、最大で28日分まで支給されるため、1人当たり最大支給額は約57,000円となります。また、育児休業給付金(賃金日額の67%~50%相当)と併用されることにより、全体として手取り収入の100%に相当する給付が実現するという仕組みです。このような構造により、収入減への不安を大幅に軽減することが可能となり、家庭内での育児分担を後押しする効果が期待されています。
なお、育児休業を取得したにもかかわらず、就労状況や賃金支払状況によって育児休業給付金が不支給となった場合には、この出生後休業支援給付金の支給も行われない点には注意が必要です。つまり、育児休業給付金の支給対象であることが、あくまでもこの新制度の受給前提条件とされているため、企業側においても正確な申請手続きと支給要件の把握が求められます。また、配偶者の育児休業が確認できる書類の提出、もしくは特例事由に該当することを証明する書類の添付が必要とされており、ハローワークや労働局による審査を経て支給が確定される流れとなっています。
この制度の導入により、企業における人事制度や職場環境にも一定の影響が生じると予想されます。育児休業を取得しやすい風土づくりや、休業中の業務フォロー体制、復職後の職場環境整備など、企業側の準備と協力体制がより一層問われることになるでしょう。とりわけ、制度の恩恵を最大限に活かすためには、制度の内容や申請手続きに関する正しい知識を社内で共有し、従業員が安心して育児休業を取得できる体制を整備することが求められます。育児と仕事の両立支援を企業の責任として明確に位置づけることは、従業員のエンゲージメント向上や離職防止にもつながり、企業価値の向上にも寄与するはずです。
また、出生後休業支援給付金の導入は、採用活動にも一定の好影響を与えると見込まれます。働きやすさや育児支援の充実度が、就職先選びの重要な判断基準となる中で、企業がこうした国の制度を積極的に活用し、かつ制度利用を促進する姿勢を示すことは、優秀な人材の確保につながる大きなアドバンテージとなります。採用広報においても「制度を活用しやすい職場」「男女問わず育児に参加できる環境」の存在を打ち出すことは、企業のブランドイメージ強化に直結します。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ