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2025年7月17日

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2025年6月発表、環境産業の市場規模が130兆円超に拡大し全産業の11.3%を占有

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環境産業の市場規模・雇用規模等に関する報告書の公表について(環境省)

2025年6月30日、環境省は国内における環境産業の現状と今後の見通しについて、詳細な分析をまとめた報告書を公表しました。この報告書では、2023年の調査結果をもとに環境産業の市場規模や雇用規模、さらには輸出入の実績や経済波及効果など、産業全体の実態を総合的に捉えた内容が示されています。環境保護と資源管理に貢献する産業を「環境産業」と定義し、環境汚染の防止、地球温暖化対策、廃棄物処理と資源の有効活用、そして自然環境の保全という4つの分野に分類して評価が行われました。

報告書によると、2023年における日本国内の環境産業の市場規模は約130兆3,312億円に達し、前年比で5.9%の増加を記録しました。これは2000年と比較して約2.1倍の規模であり、環境産業が経済全体に占める割合も2000年の6.6%から2023年には11.3%に上昇しています。このことから、環境関連の取り組みが日本経済の成長において重要な役割を果たしていることが読み取れます。

一方、雇用面では約292万2,000人が環境産業に従事しており、前年に比べて0.3%の微減ではあるものの、2000年からは約1.5倍に増加しており、長期的に見ると安定的な雇用創出がなされていると評価できます。これは、企業の環境対応が進む中で、新たな専門職やサービスが生まれてきたことに起因していると考えられます。

また、国際的な取引の観点からも注目すべき動きが見られました。環境産業の輸出額は約23兆5,000億円で前年比19.5%の増加、輸入額は約5兆6,000億円で前年比7.3%の増加となりました。これは2000年との比較で輸出が約13.3倍、輸入が約10.4倍となっており、日本の環境関連技術や製品が世界市場で大きな需要を獲得していることを裏付ける結果となっています。

さらに、環境産業が生み出す付加価値額は約52兆4,000億円で前年比3.2%増、経済波及効果については約250兆7,000億円と、前年比8.6%の増加が確認されました。この波及効果は、生産活動を通じて他産業へも広がりを見せ、経済全体へのインパクトが一層拡大していることを意味しています。

将来予測に関しても、国内の環境産業の市場規模は今後も拡大が見込まれ、2050年にはおよそ146兆8,000億円に達するとの推計が発表されました。特に「廃棄物処理・資源有効利用」の分野が最も大きな構成比を占めるとされ、その割合は全体の51.9%に達すると見込まれています。次いで「地球温暖化対策」の分野が続く形となっており、今後の産業戦略においてはこれらの分野への注力が重要となるでしょう。

この将来推計においては、既存の産業構造の変化のみが対象とされており、今後新たな環境ビジネスが創出される場合、実際の成長はさらに大きなものになる可能性も示唆されています。これは、新技術の導入や社会全体でのカーボンニュートラル実現への動きが拍車をかけることで、新たな需要が発生することが予想されるからです。

このように、環境産業は今や単なる環境保全にとどまらず、経済や雇用、国際競争力を支える柱としての役割を担っており、企業経営においても戦略的な関心を持つ必要がある分野となっています。人材採用の観点から見ても、環境分野での知見やスキルを持つ人材の確保は、今後の企業価値を高めるうえで欠かせない要素となるでしょう。こうした背景を踏まえ、環境分野の動向を的確に把握し、経営戦略に反映させていくことが今後ますます重要になると考えられます。

⇒ 詳しくは環境省のWEBサイトへ

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